ADAS/自動運転用途に向けた特性を追求、TDKが開発した新たなLIN/CAN向けチップバリスタ:さらなる小型化や静電容量差の抑制を実現(2/2 ページ)
CAN向けのAVRH16A2C270KT200NA8は、シングルタイプのバリスタ2つ分の機能を1チップにパッケージした「2in1アレイ形状」によってチャネル間の静電容量差を最小限に抑制。これによって差動通信の品質向上を実現するとしている。バリスタ電圧は27V、静電容量は20pF、静電容量差は最大1.0pFだ。
バリスタの静電容量差が大きいとSパラメーターが悪化してノイズ耐性が低下し、通信エラーのリスクが上昇する。シングルタイプのバリスタを2点使用する場合、各バリスタの個体差によって静電容量差が最大12pF程度になるが、2in1アレイ形状のAVRH16A2C270KT200NA8を用いれば静電容量差を1.0pFに抑制できるという。
静電容量差を最小化するAVRH16A2C270KT200NA8[クリックで拡大] 出所:TDK
ESD保護性能についても、シングルタイプのバリスタと同等で、かつTVSダイオードを上回る性能を確認したという。
AVRH16A2C270KT200NA8のESD保護性能[クリックで拡大] 出所:TDK
今回の新製品は、いずれも2024年3月から生産を開始する。LIN向けのAVRH10C220YT201MA8の当初生産予定数は月間1000万個、サンプル価格は1個あたり15円(税別)。CAN向けのAVRH16A2C270KT200NA8の当初生産予定数は月間100万個、サンプル価格は20円(税別)。
- 低静電容量、狭公差の車載イーサネット向け高ESD耐量バリスタ
TDKは2022年3月22日、小型、低静電容量および狭公差の車載イーサネット向け高ESD(静電気放電)耐量チップバリスタ「AVRH10C101KT4R7YA8」を開発したと発表した。ESD耐量は2万5000Vの高耐圧で、静電容量範囲は4.7±0.57pFという狭公差を実現。OPEN Allianceの、車載イーサネット100BASE-T1向けESD保護部品の規格に準拠している。
- 通信ケーブル軽量化を実現する150℃対応のA2B向けインダクター、TDK
TDKはインダクターの新製品「KLZ2012-Aシリーズ」を発表した。車載オーディオバス規格「A2B(Automotive Audio Bus)」のノイズ対策用途に向けたもので、動作温度範囲は−55〜+150℃。
- FM〜セルラー帯を1個でカバー、TDKが新ノイズフィルターを開発
TDKが、スマートフォンなどのオーディオライン向けの積層ノイズサプレッションフィルターを開発した。新開発の低ひずみフェライト材料を採用したことで、音声ひずみを大幅に低減。同時に広帯域対応も実現し、FM帯およびセルラー帯のノイズ対策を1個で可能となったという。
- 消費電力が一般品の半分&瞬停にも対応、TDKの産業向け新SSD詳細
TDKが、高速バスインタフェース規格「PCI Express(PCIe)」に同社として初めて対応した産業機器向けのM.2 2280タイプSSD「SNP1Aシリーズ」を開発した。信頼性や安定動作が重視される産業用途に特化する形で開発したという同製品の詳細を、TDKの担当者に聞いた。
- 従来比で40%小型化したAC-DC基板型電源、TDK
TDKは、TDKラムダブランドのAC-DC基板型電源「ZWS-Cシリーズ」を発表した。既存製品と比べて小型/軽量化を実現したもので、ファクトリーオートメーション(FA)やロボット、半導体製造装置や計測機器など、一般産業機器での使用を想定する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.