NECとNTTは、外径寸法が0.125mmの12コア結合型マルチコアファイバーを用い、7000km以上の長距離伝送実験に成功した。大洋横断級光海底ケーブルを始め、大容量光ネットワークの実現に向けた基盤技術となる。
NECとNTTは2024年3月、外径寸法が0.125mmの光ファイバーに光伝送路を12本設けた12コア結合型マルチコアファイバーを用い、7000km以上の長距離伝送実験に成功したと発表した。大洋横断級光海底ケーブルを始め、大容量光ネットワークの実現に向けた基盤技術となる。
既存の光海底ケーブルでは、1本のファイバー内に光伝送路を1本設けたシングルコアファイバーを用いている。これに対し、ファイバーの外形寸法を変えず、設けるコア数を増やして通信容量を増やすマルチコアファイバーが注目されている。NECでも既に、光伝送路が2本あるマルチコアファイバーを使った長距離光海底ケーブルシステムの敷設プロジェクトを手掛けている。
ただ、ファイバー内に複数の光伝送路を設けると、コアから漏れた光信号が隣接するコアの光信号に干渉して混信するなど、信号品質の劣化につながることもあった。長距離伝送において、これらの現象は特に大きな課題となる。
こうした中で今回、NECは「MIMO技術により受信信号の復調を実現したアルゴリズムの開発」を、NTTは「12コア結合型マルチコアファイバー光伝送路の開発」をそれぞれ行った。具体的にNECは、長距離伝送に対応したアルゴリズムを開発。24×24 MIMO(12コア×2偏波)に適用することで、高速な受信信号を正確に分離、復調できるようにした。
NTTは、信号の遅延と損失の不均一性による影響を軽減できる結合型マルチコアファイバーおよび、入出力デバイスの設計技術や、長距離用光伝送路設計評価技術を開発した。両社の技術を組み合わせることで、空間多重ファイバーを用いた長距離伝送実験に成功した。
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