ACインピーダンス特性を測定したところ、低抵抗と高抵抗の2つの半円を持つナイキスト線図を確認した。2つの半円を原子間顕微鏡で観察したところ、それぞれ120〜350nmの針状や球状の甲殻類外骨や細胞壁組織からの寄与と推察され、このナイキスト線図の特性から、キトサンナノファイバーシートはDCおよびAC電流領域での等価回路を持つとした。
半導体特性の電子の起源を解明するためにESR解析を行ったところ、アミニル N●H 基の不対電子ラジカルを示すESRスペクトラムを観測した。その結果、キトサンの生成電子は、スペクトル強度の線図が横軸と交わる磁場のg値から、アモルファスキトサンに生ずるアミニルN●Hラジカル起因の電子であると考えられる。
電子の起源としてアミニルN●H基の不対電子ラジカルを示すESRスペクトラム(左)、β-1,4結合グルコサミン基とN●Hアミニル基を持つムコ多糖類ChNFの分子構造(右)[クリックで拡大] 出所:東北大学同研究グループは、既に植物性ケナフを原料とするセルロースナノファイバーに同様の特性を発見している。今回発表した動物性キトサンの結果と組み合わせることで、自然界に広く賦存するバイオ素材による半導体作製、ペーパーエレクトロニクスの実用化などへの貢献が期待できるとした。
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