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「Rapidusを支援したい」 VCに転身のPat Gelsinger氏、日米の協業に意欲24年12月にIntel CEOを退任(1/2 ページ)

米国を拠点にディープテックへの投資を行うベンチャーキャピタルのPlayground Globalは、メディア向けの事業説明会を開催した。説明会にはPlayground ゼネラルパートナー兼共同創業者のPeter Barrett氏、Intelの前CEOで現在Playgroundのゼネラルパートナーを務めるPat Gelsinger氏らが登壇した。

» 2025年06月25日 10時15分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 米国を拠点にディープテックへの投資を行うベンチャーキャピタルのPlayground Global(以下、Playground)は2025年6月24日、日本のメディアに向けて事業説明会を開催した。説明会にはPlayground ゼネラルパートナー兼共同創業者のPeter Barrett氏のほか、Intelの前CEOで現在Playgroundのゼネラルパートナーを務めるPat Gelsinger氏らが登壇した。

Playground Global ゼネラルパートナーのPat Gelsinger氏(左)、同社ゼネラルパートナー兼共同創業者のPeter Barrett氏(右) Playground Global ゼネラルパートナーのPat Gelsinger氏(左)、同社ゼネラルパートナー兼共同創業者のPeter Barrett氏(右)[クリックで拡大]

 Playgroundは、コンピューティングやAI、ロボティクス、エンジニアリングバイオロジーといった分野での投資を行っている。これまでの投資先としては、mRNA医薬品の開発を行うStrand Therapeutics、再生可能エネルギーを使用して炭素を排出せずに鉱物の精製を行うElement Zeroなどがある。現在は量子コンピューティング企業のPsiQuantumも支援している。PsiQuantumはこれまでに光を利用した量子コンピューティングチップ「Omega」などを発表していて、現在はオーストラリアに実用規模の量子コンピュータを2台建設中だ。これらの大きさはGoogleが発表した量子コンピューティングチップ「Google Willow」の1万倍にもなるという。

Rapidusには「根本的な差別化が必要」

 Gelsinger氏は2024年12月にIntelのCEOを退任し、2025年3月にPlaygroundに参画した。同氏は「次世代コンピューティング技術は段階的にできていくのではなく、変革的な企業/アーキテクチャ/材料などから生まれる。それを担うのはスタートアップだ」と話す。

 同氏は米国のディープテックにとっての日本企業の重要性を強調し、「日本は半導体業界の中でユニークな立ち位置だ。日本には半導体のエコシステムがあり、政府も半導体業界に焦点を当てて投資をしている。米国と日本のパートナーシップは、私たちがサポートするディープテックを支えるものになる」と述べた。

 2027年度の2nmプロセス量産を目標に掲げるRapidusについては「TSMCに追い付くためには根本的な差別化、飛躍的な技術が必要だ。Playgroundが支援しているスタートアップのようなゲームチェンジャーが重要な役割を果たすだろう」と話す。Playgroundは極端紫外線(EUV)自由電子レーザーを手掛ける米xLightにも出資していて、Gelsinger氏は「xLightの米国に続く新たな拠点を日本に設けてRapidusのエコシステムを支援したい」とした。

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