Omdiaは、2023年の世界半導体企業売上高ランキングを発表した。同ランキングでは、NVIDIAが初の2位となった。1位は前年2位のIntel、3位は前年1位のSamsung Electronicsだった。
市場調査会社のOmdiaは2024年3月27日、2023年の世界半導体企業売上高ランキングを発表した。それによると、前年2位だったIntelが前年比15%減となったものの、511億米ドルの売り上げを記録し、首位に返り咲いた。また、前年8位だったNVIDIAは前年比133%増の491億米ドルと大幅な成長を見せ、初の2位となった。
一方、2022年に1位だったSamsung Electronics(以下、Samsung)の2023年の売上高は前年比33%減の443億米ドルで、順位は3位に下がった。メモリ分野の売上高が大きく低下したことが不調の理由だ。
Omdiaは20位までの順位を公開している。4位は売上高309億米ドル(前年比15.8%減)のQualcomm(前年3位)、5位は売上高284億米ドル(前年比5.5%増)のBroadcom(前年5位)だった。日系企業ではルネサス エレクトロニクスが売上高104億米ドル(前年比8.5%減)で16位(前年16位)に、ソニーセミコンダクタソリューションズが売上高102億米ドル(前年比8.4%増)で17位(前年18位)に、キオクシアが売上高71億米ドル(前年比35.3%減)で20位(前年17位)にランクインした。
Omdiaによると、2023年の半導体市場の売上高は5448億米ドルで、前年比9%減となったという。2021年と2022年に記録的な成長を遂げた半導体市場が2023年には落ち込んだことについて、Omdiaは「周期的な変動があるという半導体市場の性質がよく表れている」と説明している。
OmdiaのシニアリサーチアナリストであるCliff Leimbach氏は「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行期に始まった好況はもう終わった。パンデミック時には半導体需要が急増して供給不足に陥ったが、今では状況は逆転した。マクロ経済的要因から需要が落ち着いた一方で、供給量は増加している」と分析している。
市場の縮小は、売上高ランキング上位の常連だった大手メモリメーカーに顕著に影響を及ぼしている。2017年から2021年まで、Samsung、SK hynix、Micron Technology(以下、Micron)が5位以内を維持していたが、メモリ市場の不調で2023年にはSamsungは3位、SK hynixは6位、Micronは12位となった。
2023年には半導体業界全体で売り上げが低迷したが、AI(人工知能)関連の需要は成長を続けていて、AI領域に注力する企業は恩恵を受けている。その最たる例が今回世界半導体売上高ランキングで2位となったNVIDIAだ。NVIDIAの売上高は2019年には100億米ドル未満だったが、2023年には491億米ドルにまで成長した。
AI関連では他に、広帯域幅メモリ(HBM)にも強い需要があり、SK hynixをはじめ各大手メーカーがHBMを展開している。2023年のメモリ市場が全体的に落ち込んだ中でも、HBM市場は前年比127%増と大きく成長した。Omdiaは、HBM市場が2024年にも150〜200%成長し、メモリ市場をけん引すると予測している。
車載半導体の2023年の売上高は、前年比15%以上成長して750億米ドルを超えた。電気自動車(EV)の増加と自動車へのインテリジェンス統合が主な理由だ。
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