では自動車ユーザーにとって、OLEDディスプレイ技術はどのようなメリットがあるのだろうか。主なメリットを以下に挙げてみよう。
OLED技術は、自動車メーカーがいくつかの問題を解決する上でサポートを提供する。ディスプレイサイズが大きくなるにつれ、LCD設計と比べた場合のメリットも大きくなる。OLEDはレイヤー数が少なく、薄型構造であるため、自動車OEMがコックピット設計の向上を実現できるよう、以下のような選択肢を提供する。
低消費電力かつ軽量の大型ディスプレイは、特にバッテリー電気自動車(BEV)メーカーにとって、同じバッテリー容量で走行距離を延ばすことができるためメリットが大きい。
旧型のOLEDディスプレイの欠点を覚えている自動車メーカー/サプライヤーは、注目すべきだろう。車載GUIの数多くの静止(頻繁に使用されない)アイコンによる焼き付き効果や、直射日光下の可読性に関する輝度の問題などは、OLED技術の進歩によって解決されている。
ディスプレイメーカーは、2段スタック型OLED技術(タンデムOLED構造)を採用することで、ディスプレイの輝度を大幅に向上させている。スクリーンの輝度が高くなっただけでなく、構造の中に有機層が追加されたことにより、OLED全体にエネルギーが分散され、安定性の向上と寿命の延長を実現している。ティア1サプライヤーでは、このような性能向上が認識され、ハイエンド車へのOLEDディスプレイ搭載がますます増加している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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