応用分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表している。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールそのほかの販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。
「クラウド」分野の売上高は前四半期比(前期比)21%増、前年同期比89%増の18億8200万米ドルである。データセンター向けニアラインHDDの出荷数量増と価格上昇、エンタープライズ向けSSDの出荷数量増と価格上昇が増収に大きく寄与した。クラウド分野が全体の売り上げに占める比率は50%で、前期から5ポイント上昇した。
「クライアント」分野の売上高は前四半期比(前期比)3%増、前年同期比16%増の12億400万米ドルである。前期と同様にフラッシュ応用品の販売価格が上昇してビット換算の出荷減を補った。HDDの売上高は前期比でわずかに減少した。クライアント分野が全体の売り上げに占める比率は32%で、前期から3ポイント低下した。
「コンシューマー」分野の売上高は前四半期比(前期比)7%減、前年同期比5%増の6億7800万米ドルである。ビット換算の出荷がフラッシュとHDDの両方で減少した。その一部はフラッシュとHDDの平均販売価格の上昇によって補われた。コンシューマー分野が全体の売り上げに占める比率は18%で、前期から3ポイント低下した。
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。「フラッシュ応用品」の2024会計年度第4四半期(2024年4月〜6月期)における売上高は前四半期比(前期比)3.3%増、前年同期比27.9%増の17億6100万米ドルである。前期比は5四半期連続、前年同期比は3四半期連続で増加した。
フラッシュ応用品の粗利益率は36.5%である。前期の27.4%から、さらに上昇した。ビット換算の出荷容量は前期比7%減である。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)が前期比14%増、同一製品(Like-for-like)が同11%増と3四半期連続で上昇した。
「HDD製品」の2024会計年度第4四半期(2024年4月〜6月期)における売上高は前四半期比(前期比)14.3%増、前年同期比54.7%増の20億300万米ドルである。粗利益率は36.1%で、前期から5.0ポイント上昇した。総出荷記憶容量は前四半期比12%増と伸びた。
HDD製品の販売台数は、クラウド向けが790万台、クライアント向けが230万台、コンシューマー向けが190万台である。それぞれ前の四半期と比べ、60万台増、20万台減、同一となった。
HDD製品全体の販売台数は1210万台である。前の四半期からは40万台増加した。HDD製品の平均販売価格(ASP)は163米ドルである。前の四半期から18米ドル上昇した。
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