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ソシオネクストがメディカル関連事業をエイブリックに譲渡超音波診断装置およびLSIを展開

ソシオネクストが、メディカル関連事業資産をミネベアミツミの子会社エイブリックに譲渡する。同事業では、主に超音波診断装置およびLSIを展開している。

» 2024年09月20日 18時02分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソシオネクストは2024年9月20日、ミネベアミツミの子会社エイブリックにメディカル関連事業資産を譲渡すると発表した。同事業では、主に超音波診断装置およびLSIを展開している。ミネベアミツミは、「超音波診断装置市場でのさらなるシェア拡大、特に急成長が見込まれるハンドヘルド型超音波診断装置市場において業界トップを目指す」と述べている。

 両社は同月6日付で事業譲渡契約を締結。譲渡日は同年12月10日を予定している。なお、ミネベアミツミは、譲受部門の直前事業年度における経営成績について、「当事者間の守秘義務により非公開」としている。

送信と受信技術、両社の強みが補完関係に

 譲渡するのは、ソシオネクストが運営するメディカル関連事業で、主にヘルスケア/メディカル領域向けにハンドヘルド型超音波診断装置用ソリューション(LSI、基板モジュール、装置)の開発および販売を展開している。ミネベアミツミは、「対象事業の競争力の源泉は、LSIに加えてファームウェアも含めたシステムの深い知見と高精細画像生成を含む受信技術にある」と説明。今回の事業譲受によって、「これまでエイブリックが強みとしていた送信技術と対象事業の強みである受信技術の補完関係が生まれ、さらに高付加価値の製品の開発および市場投入が可能となる」と述べている。

 ミネベアミツミは成長戦略として、超精密加工技術や大量生産技術などの同社の強みを発揮でき、かつ簡単になくならない製品をコア事業とする「8本槍(やり)戦略」を掲げていて、2020年に買収したエイブリックについては、「8本槍の一つであるアナログ半導体事業において重要な役割を担っている」としている。

 エイブリックでは、車載、医療機器、産業機器、民生機器などの分野で高精度のアナログおよびミックスドシグナル半導体を展開。同社は2016年に日立製作所から医療機器用IC事業を譲受していて、同事業では超音波診断装置のキーデバイスである送信ICおよび高耐圧スイッチICを主力に事業を展開している。

 ミネベアミツミは今回の事業譲受による2025年3月期連結業績に与える影響については軽微としていて、「今後、開示すべき事項が発生した場合には、判明次第速やかに開示する」と説明している。

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