キヤノン、ナノインプリント半導体製造装置を出荷:米国の半導体コンソーシアム向け
キヤノンは、ナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を、米国テキサス州にある半導体コンソーシアム「Texas Institute for Electronics」(TIE)に向けて出荷した。
キヤノンは2024年9月26日、ナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を、米国テキサス州にある半導体コンソーシアム「Texas Institute for Electronics」(TIE)に向けて出荷したと発表した。
FPA-1200NZ2Cは、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を用いた製造装置で同社が初めて実用化し、2023年10月に製品発表を行った。NIL技術は回路パターンを刻み込んだマスクを、ウエハー上のレジストにハンコのように押し付けることで回路パターンを形成する。
光を照射して回路を焼き付けるこれまでの投影露光技術とは異なり、マスク上の微細な回路パターンを押し付けるだけで、より忠実にウエハー上に再現できる。このため、製造工程での電力消費やコストを削減できるという。FPA-1200NZ2Cは、5nmプロセスノードに相当する最小線幅14nmのパターン形成が可能である。
TIEは、米国テキサス大学オースティン校が支援するコンソーシアムで、2021年に設立された。州政府や自治体、半導体企業、国立研究所などで構成され、先端パッケージング技術を含む先端半導体技術の課題解決に取り組んでいる。今回導入するFPA-1200NZ2Cは、先端半導体の研究開発や試作品の製造などに活用する予定だという。
FPA-1200NZ2Cの外観と作業イメージ[クリックで拡大]出所:キヤノン
- キヤノンのNIL技術、EUVの「対抗馬」になれるのか
キヤノンは2023年10月、ナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を発売した。業界の専門家たちは、キヤノンの同装置がASMLのEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置の“ライバル”となるのは、もっと先になるだろうとみている。
- キヤノン、NIL技術を用いた半導体製造装置を発売
キヤノンは、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を用いた半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を発売した。最小線幅14nmのパターン形成が可能で、マスクを改良すれば最小線幅10nmレベルにも対応できるという。
- キヤノン、耐久性に優れた量子ドットインクを開発
キヤノンは、ペロブスカイト構造の「量子ドットインク(ペロブスカイト量子ドットインク)」を開発し、実用可能な耐久性があることを実証した。8K対応の量子ドットディスプレイなどに適用可能だという。
- “世界最高出力“の小型テラヘルツデバイスを開発、キヤノン
キヤノンは2023年1月16日、11.8mWの高出力と従来比20倍の高指向性を両立した小型テラヘルツデバイスを開発したと発表した。同社は、450GHz出力のテラヘルツデバイスとして「世界最高出力」を実現したとしている。
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キヤノンは、監視用途向けでは業界最高レベルのダイナミックレンジを実現した裏面照射積層型CMOSイメージセンサーを開発した。明暗差が大きい撮影環境でも、画面の領域ごとに適切な露光時間を自動で決めて撮影する。このため、移動する被写体でも高い精度で認識することができるという。
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富士フイルムは、半導体製造技術「ナノインプリントリソグラフィ」に適合する半導体材料「ナノインプリントレジスト」を開発、2024年5月下旬より富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズを通じて販売する。
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