独自NPUで差異化 広範なマイコン群でエッジAIを支援するNXP : 推論速度が30倍になる事例も (3/3 ページ)
開発のサポートにあたっては、MCXマイコン向けに、開発ボード「FRDM(Flexible, Rapid Development platform with MCUXpresso、フリーダム)」を提供する。顔検知やモーター制御のソフトウェアコードもWeb上で公開している。
開発ボード「FRDM」[クリックで拡大] 出所:NXPジャパン
さらに、「機械学習のソフトウェア開発はハードルが高いと感じるユーザーも多い」(浜野氏)として、機械学習ソフトウェアの開発環境を無償提供している。TensorFlowなどで開発したモデルをTensorFlow Lite for Microcontrollersなどに変換し、使用するハードウェアごとに最適化できるものだ。同ソフトウェアは、マイコンにもプロセッサにも共通で利用できる。
NXPが提供する機械学習ソフトウェア開発環境[クリックで拡大] 出所:NXPジャパン
浜野氏は「エッジAIと一口に言っても、使い方によって要求される性能はかなり異なる」と分析し、「自社開発のNPUもスケーラビリティを持たせたアーキテクチャにし、マイコンからプロセッサまで幅広いラインアップを用意している。最適な製品を提供できることがNXPの強みだ」とした。
「汎用マイコンでこそエッジAIを」 急加速する市場のけん引役を狙うST
AI(人工知能)関連技術の進展が目覚ましい昨今、クラウドではなくエッジデバイス上でAI推論を行うエッジAIの導入が進む。中でも、マイコンを用いた低消費電力のエッジAIへの注目が高まっている。開発者が抱える課題や求められるソリューションについて、STマイクロエレクトロニクスに聞いた。
手作業のミス防止へ エッジAIカメラでリアルタイム解析
村田製作所は「TECHNO-FRONTIER 2024」にて、AI(人工知能)演算機能を搭載したカメラによる工程管理ソリューションを展示した。製造業における手作業の工程をリアルタイムで解析することで、ミス防止や作業スピード向上が期待できるという。
AI活用 日本はシンガポールに後れを取るも支出は最大
インテルは2024年6月、IDC Japanを通じて、アジア太平洋地域の8カ国/地域を対象に行ったAI(人工知能)利用の成熟度調査の結果を発表した。日本は、4段階評価で上から2番目となるステージ3「AIイノベーター」だった。さらに、今後はエッジAIの活用が増加し、2025年にはデータの75%がデータセンターやクラウド以外で生成されると予想した。
組み込み機器でも生成AIが使える 日本発のアクセラレーター
エッジAI(人工知能)向けのアクセラレーターを手掛ける日本のスタートアップEdgeCortixが、新しいプラットフォーム「SAKURA-II」を発表した。CNN(畳み込みニューラルネットワーク)モデルだけでなく、トランスフォーマーモデルを容易に実装できることが特徴だ。
Arm、エッジAIに向けたNPU「Ethos-U85」を発表
Armは、エッジAI(人工知能)に向けたNPU(ニューラルプロセッシングユニット)ファミリーとして、新たに「Arm Ethos-U85」を発表した。前世代品に比べ性能は4倍に、電力効率は20%も向上させた。また、開発期間の短縮を可能にするIoT(モノのインターネット)レファレンスデザインプラットフォーム「Corstone-320」も同時に発表した。
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