Mouser Electronicsは、半導体市場の市況や同社の取り組みについての説明会を開催した。縮小している半導体市場は2025年初めごろから回復を始め、下半期にはさらに回復が加速する見込みだという。
半導体や電子部品をオンラインで販売するMouser Electronics(以下マウザー)は2024年9月26日、半導体市場の市況や同社の取り組みについての説明会を開催した。
マウザーは、量産向けに大量の半導体/電子部品を販売するのではなく、設計段階での部品選定や試作に向けた小口の販売に注力している。そのため、在庫は種類を豊富に、かつ1種類あたりの点数は少なめに用意しているという。設計者をサポートするという観点から、Web上で設計者向けの技術コンテンツを公開していることも特徴だ。倉庫は本社がある米国テキサス州にのみ保有し、世界各地の拠点では顧客サポートやマーケティングを行っている。
マウザーの売上高は2020〜2022年のパンデミック期に急拡大したが、2023〜2024年は需要が落ち着いたことから、前年比で減少している。ただし、マーケットシェアは拡大傾向にあり、2024年第1四半期の世界シェアは41%で、世界2位だったという。
説明会に登壇したマーケティング担当シニアバイスプレジデントのKevin Hess氏は、「売上高が減少しているとはいえ、競合他社と比べるとマウザーの下げ幅は小さい方だ」と説明した。
半導体市場全体のトレンドについては、「市場の縮小は既に底を打った。2025年初めごろから拡大に転じると考えている」(Hess氏)という。用途ごとでは、AI(人工知能)関連やFA(ファクトリーオートメーション)機器が大幅に成長し始めているという。加えて、IoT関連用途でセンサーの需要が伸長しているとした。
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