「CEATEC 2024」15日に開幕 大臣賞はViXion/シャープ/CalTa : 808社が出展 (2/2 ページ)
今回はCEATECの開催が25回目であることから、開催テーマ「Innovation for All」に合致し、特にAI(人工知能)に関連するテクノロジーを対象とした「25周年特別賞」が設置された。同賞はNECの「産業DX推進と業務効率化を実現するNECの映像認識×生成AI」に贈られた。長時間の映像データに映った人物や物体、空の様子などの環境とそれらの変化を認識し、その上でNECが開発した大規模言語モデル(LLM)を用いて短い動画や説明文を自動生成する技術だ。交通事故が発生した際のドライブレコーダーや防犯カメラの映像解析に用いると、損害保険に関する調査報告書作成などの作業時間を短縮できるという。
選考では「同技術が今後進化することで交通事故の発生を抑制できるのではないか」「他の領域にも応用できるのではないか」といった期待が寄せられ、受賞に至ったという。
25周年特別賞はNEC[クリックで拡大] 出所:JEITA
その他の部門賞の結果は以下の通りだ。なお、グローバル部門は会場審査のため、会期中に発表される。
CEATEC AWARD 2024 部門賞 受賞企業/団体一覧
表彰名
内容
受賞社/団体名
イノベーション部門賞
3Dセンサと独自開発AIによる3次元認識の複合による配筋検査自動化システム ―GEMBA 3D―
HMS
イノベーション部門賞
スピントロニクス技術を用いた第4の受動素子でAIデバイスの消費電力が1/100に
TDK
イノベーション部門賞
最先端半導体の高性能化、省電力化に貢献するコンデンサ/インダクタ内蔵基板(iPaS)
村田製作所
ネクストジェネレーション部門賞
同期・マルチチャネルバッテリフリー無線センシングシステム
慶應義塾大学後方散乱通信研究コンソーシアム
ネクストジェネレーション部門賞
CMOS/スピントロニクス融合AI半導体
東北大学
コ・クリエイション(共創)部門賞
Reposaku(レポサク)-超高精度GPSロガーで「挿すだけ・カンタン・農業DX」を実現
エゾウィン
コ・クリエイション(共創)部門賞
水中フュージョンセンサ
トリマティス
25周年の節目「CEATEC 2024」 AIに焦点の特別企画も
IT/エレクトロニクス領域の総合展示会「CEATEC 2024」が2024年10月15〜18日、幕張メッセで開催される。25回目の開催となる今回は、特別テーマとして「Innovation for All」を掲げ、AIに特化した特別企画などが予定されている。
CEATEC AWARD 2023 大臣賞は、東芝、エレファンテック、ザクティ
デジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC 2023」(幕張メッセ/主催=JEITA)が2023年10月17日に開幕した。出展は684社/団体で、そのうちスタートアップおよび大学が153社/団体が出展する。会期は、2023年10月20日まで。
25.3型のカラー版も、エコな電子ペーパーポスター
シャープは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、消費電力“ゼロ”で表示維持が可能な電子ペーパーディスプレイを展示した。電源に接続することで表示の変更が可能で、一度表示した画像は電源を切っても維持される。
「電流を流すだけで積和演算」 TDKの超省電力AI用デバイス
TDKは、スピントロニクス技術を活用するニューロモーフィック素子として「スピンメモリスタ」を開発した。AIで多用される積和演算を、GPUに比べて100分の1の消費電力で実行できるという。フランスCEAと東北大学との協業により、2030年の量産技術の確立を目指す。TDKは、スピンメモリスタのデモを「CEATEC 2024」で公開する予定だ。
「超省電力」実現の鍵、スピントロニクス半導体の最前線を聞く
東北大学では、スピントロニクス半導体の研究が活発に行われている。ロジックLSIの消費電力を100分の1以下に削減できるスピントロニクス半導体は、さまざまなシステムの低消費電力化に大きく貢献すると期待されている。同大学の国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES) センター長 兼 スピントロニクス学術連携研究教育センター 部門長の遠藤哲郎教授に、スピントロニクス半導体の特長や活用について聞いた。
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