メディア

サーバをさらに冷やす、液冷と空冷のハイブリッド冷却福田昭のデバイス通信(476) AIサーバの放熱技術(9)(1/2 ページ)

今回は、既存の強制空冷システムに液体冷却システムを追加した「ハイブリッド冷却システム」を解説する。

» 2024年10月16日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

既存の強制空冷システムに液体冷却システムを追加

 サーバやデータセンターなどの放熱技術に注目が集まっている。演算処理を担うGPUとCPUの最大消費電力(熱設計電力(TDP))が増加しつつあることで、効率の高い放熱技術が強く求められるようになってきた。

 そこで本コラムでは、サーバやデータセンターなどを支える最新の放熱技術を第468回から、シリーズで説明している。前々回は、既存の強制空冷システムを残しつつ冷却能力を高める工夫として、「後扉熱交換器(RDHX:Rear Door Heat Exchanger)」方式または「リアドア空調」方式と呼ばれる技術をご紹介した。後扉付きの冷却器をラックの背面に取り付ける(あるいは配置する)。ラック当たりの冷却能力を最大で45kWにまで高められる。

 さらに冷却能力を高めようとすると、液体冷却技術が必要となる。そこで前回は、空冷と液冷の基礎を冷媒の熱特性から解説した。特に熱伝導率と熱伝達率の違いと意味について述べた。

ラックマウントサーバの冷却方式と能力 ラックマウントサーバの冷却方式と能力[クリックで拡大] 出所:テクニカルホワイトペーパー「現代のデータセンターの冷却戦略」、Hewlett Packard Enterprise、2020年9月発行

 今回は、既存の強制空冷システムに液体冷却システムを追加した「ハイブリッド冷却システム」を説明する。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.