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「もう昔のAMDじゃない」 ロードマップの完璧な実行でシェア拡大へ年次イベントでAI用製品を発表(2/2 ページ)

» 2024年11月13日 11時30分 公開
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「Instinct MI325X」を近日中に発売

 AMDはまた、メモリ帯域幅と容量が増加したAIアクセラレーション向けGPU「Instinct MI325X」を近日中に発売することも発表した。MI325Xは、米国政府の研究施設やハイパースケーラーに急速に採用され、AMD史上最も急速に成長した製品である「MI300X」の後継となる。AMDはまた、同シリーズの次の2世代についても説明した。「MI350X」は2025年半ばに、「MI400X」は2026年に発売するという。このロードマップは、毎年新しいAIアクセラレーターを発表するというAMDのコミットメントを示している。

Pensando製品の発売

 最もエキサイティングな3つ目の発表は、フロントエンドネットワーキング(システム間)向けの「Salina 400」DPUと、バックエンドネットワーキング(GPU間)向けの「Pollara 400」Ultra Ethernet NIC(ネットワークインタフェースカード)という、2つの新しいPensando製品の発売である。どちらも最大400MB/秒の超高速、低レイテンシのデータ伝送をターゲットとする。さらに、Pollara 400はAIを使用してデータトラフィックをインテリジェントにルーティングし、システム全体の性能と効率を向上させる。これは、近日公開予定の「Ultra Ethernet Consortium(UEC) 1.0」仕様をサポートする最初の製品でもある。

 同イベントで最後に発表されたのは、エンタープライズPC向け SoC「Ryzen AI Pro 300」シリーズだった。Proシリーズは、コンシューマー向けRyzen AI 300シリーズと同様の仕様だが、セキュリティと管理機能が強化されており、特定のHP製品SKU(Stock Keeping Unit)で最大55 TOPS、他の機器メーカーのSKUで最大50TOPSのニューラルプロセッシングユニット(NPU)性能を実現する。

 AMDのイベントでは、機器メーカーが製品の発売をサポートするだけでなく、新製品(主に新CPU「Epyc 9005」を搭載)を発表していたのが印象的だった。しかし、進化を続けるこのイベントの最も価値ある部分は、AMDがデータセンターおよびその他のエンタープライズ向けの製品を毎年定期的に発表することで、同社の継続的な遂行力を実証していることだ。これは、エンタープライズ顧客に長期的な安定性と保証を提供すると共に、AMDがエンタープライズ分野での勢いを増すことにもつながっている。AMDの遂行力を疑問視する時代はとうに終わり、2025年秋に登場する新世代製品が期待される。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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