電子情報技術産業協会(JEITA)は、電子情報産業の世界生産見通しを発表した。2024年は前年比9%増の3兆7032億米ドルを見込む。2025年は前年比8%増の3兆9909億米ドルとなり、2年連続で過去最高の世界生産額を更新する見通し。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2024年12月、電子情報産業の世界生産見通しを発表した。2024年は前年比9%増の3兆7032億米ドルを見込む。2025年は前年比8%増の3兆9909億米ドルとなり、2年連続で過去最高の世界生産額を更新する見通しだ。
JEITAは、2007年から電子情報産業の世界生産規模について調査を行ってきた。世界における日系企業の位置付けを把握することが調査の目的で、会員各社を対象に行ったアンケートを集計してまとめた。なお、詳細なデータは「電子情報産業の世界生産見通し2024」に掲載されている。
近年は燃料や原材料価格の高騰などによって個人消費が低下し、中国では景気が低迷するなど、良好な経済環境ではなかった。こうした中で2024年の電子情報産業は、コロナ特需の反動で電子機器や電子部品/デバイスの需要がプラスに転じ、前年比9%増とプラス成長が見込まれている。
さらに2025年は、生成AI(人工知能)などの技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)が世界的に進展すると予測されている。この結果、AI用途によるサーバ向け半導体などの需要が拡大し、世界生産額は前年比8%増となる見通しだ。
日系企業の世界生産額(海外生産分を含む)は、2024年に41兆1813億円となる見込みで、これは前年に比べ6%の増加となる。この要因として、「円安によって電子部品/デバイスを中心に需要が回復」「価格競争力が高まる高機能のデジタルカメラやプリンター、電気計測器などが安定的に推移」「PCやソリューションサービスの需要拡大」などを挙げている。国内での生産額は、前年比6%増の11兆2984億円を見込む。
今後は、ソリューションサービスが引き続き拡大し、電子部品/デバイスもAI用途や自動車の電装化より需要が見込まれる。このため、2025年における日系企業の世界生産額は前年比4%増の 42兆8613億円、国内生産額は前年比3%増の11兆6463億円と予測した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.