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高速大容量の光ファイバ通信を支える光コネクタ福田昭のデバイス通信(461) 2022年度版実装技術ロードマップ(85)(1/2 ページ)

長きにわたり続いてきた「2022年度版実装技術ロードマップ」の解説シリーズは、今回で最終回となる。今回は、基板対基板コネクタと光コネクタの動向を解説する。

» 2024年06月04日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

基板対基板コネクタと光コネクタの動向を解説

 電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。

 第448回からは、第4章「電子部品」の概要説明を始めた。この章は「4.1 SMD部品」と「4.2 基板内蔵部品」「4.3 コネクタ」の3つの節で構成される。前々回前回は「4.2 基板内蔵部品」の概要をご報告した。今回は「4.3 コネクタ」の概要をご紹介する。

第4章「電子部品」の主な目次 第4章「電子部品」の主な目次[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

 「4.3 コネクタ」は、「4.3.1 端子間ピッチの動向」と、「4.3.2 光コネクタ」で構成される。「4.3.1 端子間ピッチの動向」は、基板対基板接続用コネクタの端子間ピッチを意味する。「4.3.2 光コネクタ」の光コネクタとは、光ファイバケーブル同士を接続する部品を指す。

「4.3 コネクタ」の目次 「4.3 コネクタ」の目次[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

基板対基板コネクタは小型コネクタの先端品で挟ピッチ化が進む

 基板対基板コネクタの端子間ピッチは、2010年から2026年までの推移を推定あるいは予測している。小型コネクタのボリュームゾーン品と先端性能品、中型コネクタのボリュームゾーン品と先端性能品にそれぞれ分けて図解した。

基板対基板接続用コネクタの端子間ピッチの推移 基板対基板接続用コネクタの端子間ピッチの推移。左下は小型コネクタ、右下は中型コネクタである[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

 小型コネクタのボリュームゾーン品は、端子間ピッチが緩やかに狭くなってきた。2010年代は「0.4mm〜0.5mm未満」が主流であったのに対し、2020年代前半は「0.3mm〜0.4mm未満」が主流となっている。小型コネクタでも先端性能品は、挟ピッチ化を先導してきた。2010年代前半の「0.4mm〜0.5mm未満」から2010年代後半の「0.3mm〜0.4mm未満」、2020年代前半の「0.3mm未満」と主力のピッチが狭くなった。

 中型コネクタはそもそもサイズが小型コネクタに比べて大きく、端子間ピッチが広い。ボリュームゾーン品の端子ピッチは「0.5mm〜0.8mm未満」の範囲で推移してきた。先端性能品は2010年代前半が「0.5mm〜0.8mm未満」、2010年代後半以降が「0.5mm未満」と緩やかにピッチが狭くなっている。

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