電子情報技術産業協会(JEITA)は、「車載半導体・電子部品市場の需要額見通し」を発表した。今回は、ソフトウェアで自動車の機能を定義するSDV(Software Defined Vehicle)への本格移行を踏まえ調査した。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2024年12月19日、「車載半導体・電子部品市場の需要額見通し」を発表した。今回は、ソフトウェアで自動車の機能を定義するSDV(Software Defined Vehicle)への本格移行を踏まえ調査した。
JEITAは、「注目分野に関する動向調査2024」をまとめ、2024年12月に発行した。この中から、車載半導体と電子部品の需要見通しについて、その概要を発表した。自動車業界は、「電動車」や「自動運転車」など開発競争が本格化している。こうした中で、自動車を販売した後でもソフトウェアを更新すれば性能を向上したり機能を追加したりできる、SDVが注目されている。
今回発表された調査報告書でも、世界中の自動車メーカーが2030年頃にはSDVを本格導入すると予想している。この結果、2035年には9790万台と予測された世界の新車生産台数のうち、6530万台をSDVが占める見通しだ。しかも全生産台数に占めるSDV比率は、2025年の3.1%に対し、2035年には66.7%まで一気に高まる。
こうした市場動向を背景に、世界の車載半導体市場は2025年の861億1500万米ドルに対し、2035年は1593億5800万米ドル規模に達すると予測した。このうちSDV向けは2025年の46億500万米ドルに対し、2035年は1185億5300万米ドル規模まで膨らむ。製品的には高性能なMCUやMPU、ロジックICに加え、パワー半導体やアナログICの需要増加に期待する。
世界の車載電子部品市場は、2025年の114億3200万米ドルに対し、2035年は171億4000万米ドルと予測した。このうち、SDV向けは2025年の3億5900万米ドルに対し、2035年は117億8200万米ドルとなり、全体の約7割を占めることになる。SDV向けを種類別にみると、抵抗器やコンデンサーが大きく成長するとみられる。
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