メディア

「RZ/V2」世代最後の切り札、ルネサスがビジョンAI用の主力MPUを初公開性能と『熱くならなさ』を実演(1/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスが、同社独自のAIアクセラレーター技術「DRP-AI」を搭載するビジョンAI用MPUの新製品でメインストリーム製品となる「RZ/V2」を発表し、ドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2025」で初公開した。

» 2025年03月17日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ルネサス エレクトロニクスは2025年3月11日、同社独自のAIアクセラレーター技術「DRP-AI」を搭載するビジョンAI用MPU(マイクロプロセッサ)「RZ/Vシリーズ」の新製品「RZ/V2N」を発表。ドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2025」(同月11~13日)において初公開した。RZ/V2Nは同シリーズのメインストリーム製品となるミッドレンジ品で、低消費電力かつ、最大15TOPSのAI性能を搭載する。同月19日に量産開始および発売する予定だ。

ビジョンAI用MPU(マイクロプロセッサ)「RZ/Vシリーズ」の新製品「RZ/V2N」 ビジョンAI用MPU(マイクロプロセッサ)「RZ/Vシリーズ」の新製品「RZ/V2N」[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

満を持して、需要が大きいミッドレンジAI市場へ

 ルネサスがビジョンAI分野向けとして展開するRZ/Vシリーズはこれまで、最大1TOPSの「RZ/V2MA」「RZ/V2M」「RZ/V2L」というローエンド品のほか、2024年2月に最大80TOPSでハイエンドの「RZ/V2H」を発表/発売していた。今回、ミッドレンジ品であるRZ/V2Nを投入することでラインアップが一通りそろった形で、「RZ/V2」世代としてはRZ/V2Nが最後の製品になるという。

ビジョンAI向け製品ロードマップ ビジョンAI向け製品ロードマップ[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 ルネサスによると、ハイエンドのRZ/V2Hは2024年2月の発表から約1年で商談規模は2.3倍に拡大。多くの採用/検討がされているという。一方、RZ/V2HほどのAI性能は不要かつ、より低コストな製品の需要は大きいといい、今回、RZ/V2HよりAI性能を抑えつつもミッドレンジAI市場で求められる主要要件に対応した製品としてRZ/V2Nを開発した。具体的なターゲットアプリケーションは自動走行ロボットやAIカメラ、ドライブレコーダー/ドライバーモニタリングシステムなどだ。ルネサスのエンベデッドプロセッシング事業部で事業部長を務めるDaryl Khoo氏は「ミッドレンジのRZ/V2Nが加わることで、消費電力を抑えたいエンドポイントのビジョンAIなど、幅広いAIアプリケーションに対応できるようになる。顧客がシステム要件やコストに合わせて最適なAI MPUを選択できるようになると期待している」と述べている。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.