RZ/V2NのAI推論性能について、RZ/V2Mと比較したのが下図だ。ResNet-50ではDenseモデルで4倍、Sparseモデル(90%)で14倍と大きく性能が向上したとしている。
ルネサスはRZ/V2Nの発表に合わせ、学習済みAIモデルをDRP-AIで実行可能な形式に変換するツールである「DRP-AI TVM」をアップデート。単眼カメラでの深度推定や新しいAIタスクへの対応、さらにはビジョン系トランスフォーマーモデルにも対応する。また、50種類以上のユースケースに対応する各種AIアプリケーションを「AI Applications and AI SDK(GitHub)」で提供。これによって「AIに関する深い知見が無いユーザーでも、AIアプリケーションを早期に評価/開発でき、市場投入までの時間を短縮できる」としている。
ルネサスはRZ/V2Nのほとんどの機能を評価できる開発キットもRZ/V2N発売と同時(2025年3月19日)から注文可能にする予定だ。さらにパートナー企業によるSOM(System on Module)やシングルボードコンピュータ(SBC)も複数社が発売予定だ。
ルネサスは今回、embedded world 2025の会場でRZ/V2Nの実物およびデモを初公開した。RZ/V2Nが2台のカメラから画像を取得し、2系統のAIおよびビデオエンコーディングを低電力で実現する様子を見せるデモなどを実施。このデモでは、ファンレスが可能な消費電力2.6Wを達成(実測値)し「顧客の機器を小型化し、熱対策不要なソリューションとして提供できる」としていて、実際にサーマルカメラで基板を撮影し熱対策不要で温度は50℃以下に収まっている様子も示していた。
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