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「M4 Pro/M4 Max」を解析 IPを最大限に生かすAppleのモノづくりこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(90)(1/3 ページ)

2025年も精力的に新製品を発表しているApple。今回は、2024年から2025年にかけて発売された「Mac mini」や「Mac Studio」を取り上げ、それらに搭載されているプロセッサ「M4 Pro」「M4 Max」を報告する。

» 2025年03月17日 11時30分 公開

 Appleは2025年も精力的に新製品をリリースしている。いずれも製品の“骨格”となっているのは半導体だ。2025年2月28日には独自のモデムチップセット(「C1」だけでなく、トランシーバーや電源ICもセット化されている)を搭載した「iPhone 16e」、3月12日にはスーパーハイエンドMacとして「Mac Studio」が発売された。最大512GB(ギガバイト)のユニファイドメモリを接続する「M3 Ultra」搭載版か、「MacBook Pro」にも使われている「M4 Max」搭載版のどちらかを選択できる。これらは本連載にて4月か5月に報告したい。

周辺チップも積極的に開発するApple

 Appleはデジタルプロセッサだけでなく、プロセッサの性能を引き出すための周辺チップ(電源ICやインタフェース)も積極的に自社開発していて、チップセットとしてトータルシステムを作り上げている。Appleはプロセッサだけの半導体開発メーカーではないことを再認識しておきたい。2025年のApple新製品は次回以降に報告するとして、今回は2024年11月に発売された「Mac mini」と、MacBook Proに搭載される新プロセッサ「M4 Pro」および「M4 Max」について報告する。

 図1は2024年11月8日に発売されたMac miniの様子である。従来のMac miniに比べて体積(最大値)が1389mm3から807mm3、重さが1.28kgから0.73gへとおおむね40%削減されたものになっている。手のひらに乗るサイズだ。2023年2月発売の前モデルのMac miniには、TSMCの5nm世代で製造された「M2 Pro」が搭載されているが、2024年の小型化されたMac miniには3nm製造のM4 Proとなっている。分解難易度はさほど高くない。図1は、Mac miniのメイン基板(これ以外に電源基板がある)とメイン基板上に接続されるSSDの様子である。一般的なM.2 SSDとは異なる形状をしている。図1のSSDの裏面にもメモリチップが配置される両面実装となっている。

2024年11月8日に発売されたMac mini 図1:2024年11月8日に発売されたApple「Mac mini」[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図2はMac miniのSSDのチップ開封の様子である。512GBモデルではメモリチップが4個(両面で)実装されている。1個あたり128GBだ。1つのパッケージ内部には3個のシリコンが収まっている。うち2つはキオクシアの64GB NAND 型フラッシュメモリ、1つはApple開発のSSDコントローラーチップである。SSDコントロール機能とインタフェースが備わっている。一般的なSSDではSSD全体を1チップのコントローラーで管理しているが、Appleは各パッケージにコントローラーを持っている。Appleはメモリコントロールにも独自性を持っているわけだ(詳細は省略)。キオクシアのメモリだけでなくSamsung Electronics、SK hynix、Micron Technologyなどのメモリチップを使う場合にも、Apple製品では、Apple製コントローラーを必ず組み合わせている。

図2:Mac miniのSSDチップの中身 図2:Mac miniのSSDチップの中身[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図3は最新のMac miniのAppleチップセットの様子である(さらに数チップあるが省略)。M4 Proプロセッサを取り囲むように、トータルで6個の電源ICが配置されている。電源電圧の管理などを行っている。

Mac miniのAppleチップセット 図3:Mac miniのAppleチップセット[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート
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