古河電気工業は、銅系抵抗材料である「EFCR」シリーズとして新たに3製品を開発した。多様化する抵抗器の要求に応えるもので、同シリーズは既存製品も含め25μ〜100μΩ・cmの体積抵抗率に対応したことになる。
古河電気工業は2025年3月、銅系抵抗材料である「EFCR」シリーズとして新たに3製品を開発した。多様化する抵抗器の要求に応えるもので、同シリーズは既存製品も含め25μ〜100μΩ・cmの体積抵抗率に対応したことになる。
生成AIの進歩などによりコンピュータの高性能化が進む。また車載リチウムイオン電池用充電器では高精度な電流検出が求められている。こうした中、抵抗器は電子回路における電流の制御や電圧の調整に用いられている。このため、抵抗器に用いる材料には、幅広い抵抗率や温度変化に対する安定した電気的特性が、強く求められるようになった。
そこで今回、体積抵抗率が25μΩ・cmの「EFCR-25」、同38μΩ・cmの「EFCR-38」、同49μΩ・cmの「EFCR-50」という3製品を新たに追加。既存製品も含め「EFCR」シリーズは6製品となった。
「EFCR」シリーズは、非磁性体であるため高周波を発生するような動作環境でも安定した抵抗値を示す。めっきの密着性も高く、電極との接続信頼性も高い。これらの特長から例えば、体積抵抗率が小さいEFCR-25は、車載リチウムイオン電池用の充電器やスマートフォン向けの抵抗器に適している。EFCR-38は車載用抵抗器などの用途を視野に入れている。EFCR-50は、標準電気抵抗線や温度測定用熱電対といった用途に用いられているCu-Ni系合金からの代替を狙う。温度変化対する熱起電力が小さいため、直流精密抵抗器にも適しているという。
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