Micronの四半期業績、前四半期比は減収も営業利益率は20％超を維持：福田昭のストレージ通信（275）（2/2 ページ）

[福田昭，EE Times Japan]

HBMがデータセンター向けで売り上げを大きく伸ばす

　次は事業部門（Business Unit）別の売上高を見ていこう。Micronは「CNBU（Compute and Networking BU）」（コンピューティングとネットワーキング）、「MBU（Mobile BU）」（モバイル）、「SBU（Storage BU）」（ストレージ）、「EBU（Embedded BU）」（組み込み）の4つの事業部門（BU）を備える。

　CNBUは、データセンターとPC、グラフィックス、ネットワークに向けたメモリ製品とメモリモジュール製品を扱う。具体的にはHBM、DDR DRAM、LPDDR DRAM、GDDR DRAMなどで、CXLモジュールとMRDIMMを含む。

　CNBUの2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）の売上高は前四半期（前期）比4％増、前年同期比109％増の45億6400万米ドルである。前四半期に続いて過去最高の売り上げを更新した。全体の売上高に占める割合は57％と前四半期から6ポイント増加した。売り上げ増をけん引したのはHBM製品である。同製品の売上高は前四半期（前期）比で50％を超える伸びを示した。

　MBUは、スマートフォンその他のモバイル機器に向けたメモリ製品とストレージ製品を扱う。具体的にはLPDDR DRAMとNANDフラッシュメモリ、eMMC、UFSなどである。

　MBUの2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）の売上高は前四半期（前期）比30％減、前年同期比33％減の10億6800万米ドルである。モバイル分野の顧客は前期に続いて在庫水準を減らしており、売り上げが大きく減少した。

　SBUはデータセンターとPC、民生に向けたSSDとフラッシュストレージを扱う。具体的にはデータセンター向けのエンタープライズSSDとクラウドSSD、エンタープライズ向けNANDフラッシュメモリ、PC向けのクライアントSSD、民生向けの「Crucial」ブランドSSDなどである。

　SBUの2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）の売上高は前四半期（前期）比20％減、前年同期比54％増の13億9200万米ドルとなった。データセンター事業の顧客がストレージへの投資を手控えたため、前期に比べて販売額が低下した。

　EBUは、自動車、産業、民生の組み込み用メモリとストレージを扱う。具体的にはDRAM単体とDRAMモジュール、NANDフラッシュ単体、マネージドNANDフラッシュ、SSD、NORフラッシュメモリなどである。

　EBUの2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）の売上高は前四半期（前期）比3％減、前年同期比8％減の10億2500万米ドルである。自動車分野の顧客が在庫を減らしたことが売上減の主な要因となった。

事業部門（BU）別の2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）業績概要［クリックで拡大］ 出所：Micron Technology（2025年3月20日に公表された連結決算概要のプレスリリース）

売上高の76％をDRAM、23％をNANDフラッシュが占める

　Micronの主力製品はDRAMとNANDフラッシュメモリである。2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）の売上高に占めるDRAMの比率は76％で、前四半期（前期）から3ポイント上昇した。NANDフラッシュメモリの比率は23％で、前期から3ポイント低下した。

　2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）におけるDRAMの売上高は前四半期（前期）比4.3％減、前年同期比47％増の61億2300万米ドルである。ビット換算の出荷量は前四半期（前期）に比べて7％〜9％減と推定した。平均販売価格は前四半期（前期）に比べて5％前後上昇した。

　2025会計年度第2四半期（2024年12月〜2025年2月期）におけるNANDフラッシュメモリの売上高は前四半期（前期）比17％減、前年同期比18％増の18億5500万米ドルである。ビット換算の出荷量は前四半期（前期）に比べてわずかに上昇した。平均販売価格は前四半期（前期）に比べて17％〜19％減と推定した。

DRAMとNANDフラッシュメモリ、その他製品の四半期売上高［クリックで拡大］ 出所：Micron Technology（2025年3月20日に公表された連結決算概要のプレスリリース）

（次回に続く）

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧