Intelが、Altera株の51%を米投資ファンドに売却すると発表した。残り49%の株式はIntelが継続保有する。取引完了は2025年下期を見込む。
Intelは2025年4月14日(米国時間)、Alteraの過半数株式をプライベートエクイティ会社Silver Lakeに売却する正式契約を締結したと発表した。保有株式の51%を売却し、残り49%の株式はIntelが継続保有する。取引完了は2025年下期を見込む。同取引ではAlteraの価値を87億5000万米ドルと見積もる。
Intelは今回の売却について「Alteraは経営上の独立性を確立し、純粋なFPGA半導体ソリューション企業としては最大になる。同社は実績のある拡張性の高いアーキテクチャとツールチェーンを提供し、AI主導型市場の需要と機会を満たすため、成長とFPGAイノベーションの推進に注力している」と説明している。
Intelは2015年、167億米ドルでFPGA大手のAlteraを買収。以降はProgrammable Solutions Group(PSG)としてFPGA事業を展開していたが、2024年初頭に独立した企業として分離した。なお、分離の発表時には「2〜3年以内にAlteraのIPOを実施する予定で、上場後もIntelが過半数株式を保持したまま、事業の成長を加速させるために民間の投資家との機会を探る可能性がある」と説明していた。
Altera売却を巡っては、2024年後半ごろからその動向についてたびたび報じられていて、Lattice SemiconductorといったFPGA業界のプレーヤー、あるいはSilver Lakeの他、Francisco Partners、Bain Capitalなどのプライベートエクイティ企業の名前が挙がっていた(下記記事参照)
IntelのCEOであるLip-Bu Tan氏は今回の決定について「焦点を絞り、コスト構造を改善し、バランスシートを強化するという当社の方針を反映したものだ」とコメントしている。
Intelは同時に、2025年5月5日付で、AlteraのCEOであるSandra Rivera氏の後任として、Marvell Technologyの製品/技術担当プレジデントを務めていたRaghib Hussain氏が新CEOに就任することも発表した。Hussain氏はCisco SystemsやCadence Design Systemsで技術職を務めたほか、エンタープライズセキュリティ企業であるVPNetの設立に貢献した経歴があり、Marvell入社前には自身が共同創設したファブレス半導体企業CaviumでCEOを務めていた。
Tan氏は「AlteraはFPGA市場で最も成長率が高く、収益性の高い分野に参入するため、製品ポートフォリオの再構築を進めている。Sandra(Rivera氏)の25年にわたるIntelでのキャリアを通じて強力なリーダーシップと永続的な影響力に感謝している。彼女が新たなスタートを切るにあたって継続的な成功を願っている。Raghib(Hussain氏)は豊富な業界経験と実績に基づいて、事業を前進させるためにわれわれが選んだ優秀な経営者だ」とコメントしている。
Hussain氏は「Alteraは、Silver Lakeの強力な実績に支えられ、独立企業として焦点を明確にすることで、その勢いをさらに加速させ、AIによって駆動されるコンピュートの未来を形作る画期的なFPGAベースのソリューションを提供するのに有利な立場にある。Alteraの成長の新たなステージに入るに当たり、Sandraがもたらした影響と彼女が築いたチームに感謝している」と述べている。
Alteraの2024会計年度の売上高は15億4000万米ドル、GAAPベースの粗利益は3億6100万米ドル、GAAPベースの営業損失は6億1500万米ドル。non-GAAPベースの粗利益は7億6900万米ドル、non-GAAPベースの営業利益は3500万米ドルだった。
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