具体的には、EdgeCortixのAIアクセラレーター「SAKURA-II」のM2.モジュールと「Raspberry Pi 5」を組み合わせ、Transformerを用いたセグメンテーションモデル「SegFormer」を実行した。精度はBF16で、AI性能は60TOPS/10Wだという。アプリケーション例として、ドローンやロボティクス、組み込みシステムなど低消費電力が要求される用途を挙げる。
Raspberry Pi 5とSAKURA-IIを組み合わせたデモの実機。ラズパイとSAKURA-IIは、M.2用の変換モジュールを介して接続している。その上にヒートシンクとファンを載せている[クリックで拡大]
ラズパイはPoC(Proof of Concept)でも多く活用されていることから、「SAKURA-IIと組み合わせることで、エッジAIアプリケーションのPoCを低コストで実現できる」(EdgeCortix)ことがメリットだ。このデモは、2025年3月にドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2025」で既に披露されたもの。EdgeCortix グローバルセールス担当エグゼクティブバイスプレジデントのTim Vehling氏によれば「欧州でもラズパイは広く使われているので、注目度が非常に高かった」という。日本の展示会でこのデモを披露するのは初めてになる。
ビジョンモデル+言語モデルをエッジで動作可能なアクセラレーター
EdgeCortixは「SEMICON Japan 2024」(2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展。AI(人工知能)アクセラレーター「SAKURA-II」でビジョンモデルや言語モデルを動作させるデモや、チップレット集積型半導体として開発中のAI-RAN向け次世代プラットフォーム「SAKURA-X」の概要などを紹介した。