シャープが、親会社である鴻海精密工業に半導体事業およびレーザー事業を155億円で売却すると発表した。
シャープは2025年4月23日、親会社である鴻海精密工業(以下、鴻海)に半導体事業およびレーザー事業を155億円で売却すると発表した。シャープはデバイス事業を段階的に縮小し、ブランド事業中心の戦略に切り替える方針をとっていて、今回の取引はその一環だ。
シャープ子会社で半導体レーザーおよび半導体/半導体対応デバイスの開発や製造と販売、ファウンドリーサービスなどを手掛ける「シャープ福山レーザー(以下、SFL)」(広島県福山市)を2025年7月1日付で会社分割。同社事業に関連する権利義務を承継させたうえで、同年9月29日付で鴻海の子会社である鴻元國際投資(以下、鴻元)に155億円で売却する予定だ。シャープは、同取引に関連する連結損益として、約51億円の損失を見込んでいる。
シャープは2024年5月に発表した中期経営方針の中で、ブランド事業を中心とした事業体への変革と、それに向けたデバイス事業の段階的な縮小に取り組むと説明していた。シャープによると、この実現に向け、半導体分野への進出を加速している鴻海と議論をする中で、SFL株式の全持分を鴻元が取得することの提案を受けたという。
シャープは「この提案は、シャープブランド事業へリソースを重点的に配分可能とするもので、当社の基本方針と合致すると同時に、SFLにとっても鴻海の傘下に入ることで、高付加価値商材へとカテゴリーシフトを進めることが可能となっている。当社およびSFLの双方にとって有益と判断し、鴻海からの提案を受け入れることとして、本件吸収分割および本件株式譲渡の実施を決定した」と説明している。
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