ソニーが「最速」のSPAD距離センサー開発、自動運転L3以上へ:垂直方向の検知精度は2.7倍に(2/2 ページ)
今回、距離分解能を高めるために開発した独自回路は、各SPAD画素のデータを個別に処理し距離を算出するもので、これによってLiDARの距離分解能を5cm間隔まで向上した。
また、画素における光の入射面と底面に凹凸を設け、さらにレンズ形状を最適化。射光を回折させて吸収率を高めることで、940nmの波長に対して37%の高い光子検出効率を実現した。これによって10万lux以上の高照度の背景光環境においても、最長300m先にある対象物を高精度に検知/認識可能だという。
SPAD画素の断面構造[クリックで拡大] 出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ
ソニーセミコンはIMX479を搭載したメカニカルスキャン方式のLiDARを評価用に開発。顧客やパートナーに向けて提供する。
IMX479の主な仕様
型名 |
IMX479 |
有効SPAD画素数 |
105 × 1560 約16万4000画素 |
垂直方向有効dToF画素数 |
520dToF画素 |
イメージサイズ |
対角15.8mm(1型) |
推奨光源波長 |
940nm |
SPADユニットセルサイズ |
10.08 × 10.08μm |
エレメントサイズ(dToF画素単位) |
最小3 × 3 |
光子検出効率 |
37%(940nm波長) |
応答速度 |
約6ナノ秒 |
電源電圧 |
SPAD降伏電圧 |
-20.5V |
SPAD過剰電圧 |
3.3V |
アナログ |
3.3V |
デジタル |
1.125V |
インタフェース |
1.8V |
インタフェース |
MIPI CSI-2 シリアル出力(4lane) |
チップサイズ |
12.2×20.0mm |
最大検知距離 |
300m |
300m測距時の距離精度 |
最小5cm相当 |
|
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