ICはアナログ、マイクロ、ロジック、メモリに類別される。
アナログ市場は同2.6%増という予測。前回予測では同4.7%増で下方修正されている。2025年1〜4月までの実績を見ると同5.0%増であり、ここからやや悪化する予測になっている。この市場は2025年初頭から辛うじてプラス成長を保ち、4月に突然2桁のプラス成長を記録した。今後の予測が難しい状況ではある。全体的な流れからいえば、2023年、2024年と2年連続でマイナス成長が続き、2025年はそのボトム期は脱した状態なので、今後は同5.0%を超える成長率が期待できる、と筆者は見ている。特に汎用アナログ市場が着実に回復していることが心強い。2026年の予測は同4.8%増となっているが、筆者としては10%に近い成長が見込めると予測している。
マイクロ市場は同1.0%減という予測。前回予測では同5.6%増で、ここからは下方修正されている。2025年1〜4月までの実績を見ると同4.0%増であり、ここから悪化する予測となっている。マイクロ市場の過半を占めているMPU市場は、4月までの実績が2桁に近い伸び率で推移している。主要なアプリケーションであるPC向けは横ばいで推移しているが、サーバ向けの需要が増えている。この傾向は今後も継続されるだろう。一方のMCU市場は、2025年4月までの実績が2桁に近いマイナス成長である。ただしマイナス幅は縮小傾向にあり、2025年後半には同プラス成長に回復できる、と筆者はみている。アナログやセンサー市場に比べて、回復が若干遅れただけだろう。結果として2025年のマイクロ市場全体は、5〜10%の成長が期待できる、と筆者は予測している。2026年の予測は同3.0%増になっているが、これも保守的な数字にみえる。やはり5〜10%程度の成長は期待できるのではないだろうか。
ロジック市場は同23.9%増という予測。前回予測では同16.8%増で上方修正されている。2025年1〜4月までの実績を見ると同35.9%増と極めて好調に推移しているので、ここからは悪化する予測になっているが、違和感がある。ロジック市場が好調な要因は、AIサーバ向けGPUが絶好調に推移していること、さらにはスマホの心臓部にあたるアプリケーションプロセッサが2025年4月までの実績でロジック全体に勝るとも劣らない伸び率で推移していること、などが挙げられよう。スマホの普及が飽和状態に達しているため、この市場には過度な期待は禁物だが、GPUの需要はまだまだ伸びる、と筆者はみている。
この市場はNVIDIAの独り勝ちで、それ以外のロジックICメーカーの大半は、このロジック市場の伸びを下回っている。やや特殊な状況下ではあるが、2025年のロジック市場は30%を超える成長率が期待できるだろう。2026年の予測は同7.3%となっているが、これにも違和感がある。現時点でAI機能はデータセンターに集中しているが、今後はPCやスマホなどの端末にもAI機能が搭載されるだろう。それを支えるのがロジックICであり、2026年も20%を超える成長率が期待できると筆者は予測している。
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