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AIデータセンター向け「DSPレス」光半導体の開発を加速NICTが研究開発プロジェクトに採択

ザインエレクトロニクスは、次世代AIに向けた光伝送DSPレス多チャネル半導体(VCSELドライバー/TIA)技術が、情報通信研究機構(NICT)の「データセンター向け多チャネル光配線集積技術に関する研究開発プロジェクト」に採択されたと発表した。

» 2025年07月11日 12時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

完全なアナログ型伝送技術により、DPSレスで信号品質を維持

 ザインエレクトロニクスは2025年7月、次世代AIに向けた光伝送DSPレス多チャネル半導体(VCSELドライバー/TIA)技術が、情報通信研究機構(NICT)の「データセンター向け多チャネル光配線集積技術に関する研究開発プロジェクト」に採択されたと発表した。

 ザインエレクトロニクスは、光半導体として送信用の「VCSELドライバー」や受信用の「TIA(Transimpedance Amplifier)」を開発している。PCI Express7.0/6.0とVCSELを用いれば、通信速度が2.0Tバイト/秒または1.0Tバイト/秒の光トランシーバーを低遅延、低消費電力、多チャネル高密度、低コストで実現できるという。

 これらを可能にするのが独自開発した「ZERO EYE SKEW」技術である。完全なアナログ型伝送技術により、DPSを用いなくても信号品質を維持できるという。しかも、開発を目指す光半導体は、通信速度2.0Tバイト/秒のケースで、遅延時間は従来に比べ90%、消費電力は73%も、それぞれ削減できるという。

採択された研究開発プロジェクトの概要[クリックで拡大] 出所:ザインエレクトロニクス 採択された研究開発プロジェクトの概要[クリックで拡大] 出所:ザインエレクトロニクス

 採択された研究開発プロジェクトの期間は令和7年度から9年度末までの3年間。データセンター内部における消費電力の低減に向け、多チャネルによる光配線の集積化を可能にする帯域補正技術の開発と、実装に必要となる技術の確立を目指す。交付される金額は6億2255万円である。

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