AIデータセンター向け「DSPレス」光半導体の開発を加速:NICTが研究開発プロジェクトに採択
ザインエレクトロニクスは、次世代AIに向けた光伝送DSPレス多チャネル半導体(VCSELドライバー/TIA)技術が、情報通信研究機構(NICT)の「データセンター向け多チャネル光配線集積技術に関する研究開発プロジェクト」に採択されたと発表した。
ザインエレクトロニクスは2025年7月、次世代AIに向けた光伝送DSPレス多チャネル半導体(VCSELドライバー/TIA)技術が、情報通信研究機構(NICT)の「データセンター向け多チャネル光配線集積技術に関する研究開発プロジェクト」に採択されたと発表した。
ザインエレクトロニクスは、光半導体として送信用の「VCSELドライバー」や受信用の「TIA(Transimpedance Amplifier)」を開発している。PCI Express7.0/6.0とVCSELを用いれば、通信速度が2.0Tバイト/秒または1.0Tバイト/秒の光トランシーバーを低遅延、低消費電力、多チャネル高密度、低コストで実現できるという。
これらを可能にするのが独自開発した「ZERO EYE SKEW」技術である。完全なアナログ型伝送技術により、DPSを用いなくても信号品質を維持できるという。しかも、開発を目指す光半導体は、通信速度2.0Tバイト/秒のケースで、遅延時間は従来に比べ90%、消費電力は73%も、それぞれ削減できるという。
採択された研究開発プロジェクトの概要[クリックで拡大] 出所:ザインエレクトロニクス
採択された研究開発プロジェクトの期間は令和7年度から9年度末までの3年間。データセンター内部における消費電力の低減に向け、多チャネルによる光配線の集積化を可能にする帯域補正技術の開発と、実装に必要となる技術の確立を目指す。交付される金額は6億2255万円である。
広告ディスプレイでエッジAIを容易に実現 ザインエレ
ザインエレクトロニクスは、属性認識機能を備えた広告用ディスプレイを容易に開発できる「店舗販促AIサイネージソリューション」の提供を始める。
AI光コンピューティング向け光半導体技術を開発
ザインエレクトロニクスは、AI光コンピューティングに向けた光半導体技術「ZERO EYE SKEW」を開発した。データサーバに応用すれば、超高速通信を極めて低い電力消費かつ低遅延で実現できるという。
ザインがエッジAI開発支援を強化、ワンストップで
ザインエレクトロニクスは2024年12月9日、エッジAI機器開発に必須となるハードおよびソフトをまとめて提供する新たな「ワンストップ・ソリューション」の提供開始を発表した。画像データの高速伝送や画像処理をはじめとした独自技術/ノウハウを生かしサービスを展開、さらなる事業拡大を図る。
VCSEL対応光半導体を開発 DSP不要で消費電力を大幅削減
ザインエレクトロニクスは2024年9月10日、次世代通信規格PCI Express 6.0対応の超高速PAM4 64Gbps通信用光半導体チップセットを開発したと発表した。DSPを不要とするVCSEL対応光半導体で、消費電力を60%削減、光DSP処理で生じるレイテンシを90%削減する。
ザイン、次世代PCI Express向け光半導体事業に進出
ザインエレクトロニクスが、消費電力が小さく低遅延を実現した次世代PCI Express向け光半導体を開発し、データセンター市場に進出すると発表した。
ザインら、毎秒20Gビットの高速情報伝送を実現
ザインエレクトロニクスと情報通信研究機構(NICT)および広島大学は、ミックスドシグナルベースバンド復調回路を開発、これを搭載した受信用半導体で、20Gビット/秒QPSK変調された電気信号を受信することに成功した。ミックスドシグナル技術を用いることで、ベースバンド復調回路の電力消費を大幅に削減できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.