AI光コンピューティング向け光半導体技術を開発:VCSELドライバーに適用
ザインエレクトロニクスは、AI光コンピューティングに向けた光半導体技術「ZERO EYE SKEW」を開発した。データサーバに応用すれば、超高速通信を極めて低い電力消費かつ低遅延で実現できるという。
ザインエレクトロニクスは2025年3月、AI光コンピューティングに向けた光半導体技術「ZERO EYE SKEW」を開発したと発表した。データサーバに応用すれば、超高速通信を極めて低い電力消費かつ低遅延で実現できるという。
ZERO EYE SKEW技術は、次々世代通信規格「PCI Express7.0」での活用を視野に入れて開発した。この技術を用いれば、光通信用DSPが不要となり、消費電力を大幅に抑えることが可能となる。
例えば、開発した技術をVCSELドライバーに適用しPAM通信でデータ伝送すれば、PCI Express6.0では1Tバイト/秒(64レーン時)、PCI Express7.0では2Tバイト/秒(64レーン時)という高速通信を、光通信用DSPなしで実現した。また、通信速度2Tバイト/秒時の消費電力は80%、遅延時間は90%もそれぞれ削減することが可能になるという。
ZERO EYE SKEW技術を用いた波形特性(左)と、同技術を用いていない特性波形(右)[クリックで拡大] 出所:ザインエレクトロニクス
なお、ZERO EYE SKEW技術を用いることで、アイパターン開口が斜めにズレる現象が抑制され、高い信号品質が維持されることも確認している。
ザインがエッジAI開発支援を強化、ワンストップで
ザインエレクトロニクスは2024年12月9日、エッジAI機器開発に必須となるハードおよびソフトをまとめて提供する新たな「ワンストップ・ソリューション」の提供開始を発表した。画像データの高速伝送や画像処理をはじめとした独自技術/ノウハウを生かしサービスを展開、さらなる事業拡大を図る。
VCSEL対応光半導体を開発 DSP不要で消費電力を大幅削減
ザインエレクトロニクスは2024年9月10日、次世代通信規格PCI Express 6.0対応の超高速PAM4 64Gbps通信用光半導体チップセットを開発したと発表した。DSPを不要とするVCSEL対応光半導体で、消費電力を60%削減、光DSP処理で生じるレイテンシを90%削減する。
ザイン、次世代PCI Express向け光半導体事業に進出
ザインエレクトロニクスが、消費電力が小さく低遅延を実現した次世代PCI Express向け光半導体を開発し、データセンター市場に進出すると発表した。
ザインら、毎秒20Gビットの高速情報伝送を実現
ザインエレクトロニクスと情報通信研究機構(NICT)および広島大学は、ミックスドシグナルベースバンド復調回路を開発、これを搭載した受信用半導体で、20Gビット/秒QPSK変調された電気信号を受信することに成功した。ミックスドシグナル技術を用いることで、ベースバンド復調回路の電力消費を大幅に削減できるという。
34本の信号配線を差動2対に集約するシリアルトランシーバー
ザインエレクトロニクスは、センサー信号や制御信号の配線を統合できるシリアルトランシーバーIC「THCS253/THCS254」の量産出荷を開始した。30本を超える信号ラインを、わずか2ペアの差動信号ラインに置き換えることができるため、システムの小型化や低コスト化につながる。
ヒロセ電機とザイン、光高速絶縁伝送分野で協力
ヒロセ電機とザインエレクトロニクスは、光アクティブコネクター(AOC)の分野で協力し、少ない配線で長距離の光高速絶縁伝送を可能にするソリューションを提供していく。
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