新JFETやSuper Junction品投入へ、InfineonのSiC戦略:PCIM Expo&Conference 2025(3/3 ページ)
Infineonはさらに、トレンチベースのSiCスーパージャンクション(TSJ)技術を導入したSiC MOSFETの開発も発表。SiCとシリコンベースのスーパージャンクション技術(CoolMOS)におけるInfineonの25年を超える経験を活用し、トレンチ技術とスーパージャンクション設計の利点を融合。SiC MOSFET G2と比較し、RDS(on)×Aを最大40%低減できるという。
トレンチベースのSiCスーパージャンクション(TSJ)技術を導入したSiC MOSFETの概要[クリックで拡大]出所:Infineon Technologies
同社はこのSiCのTSJ技術によってディスクリート、モールド、フレームベースのモジュールやベアダイなど、さまざまなパッケージタイプを含むCoolSiC製品ポートフォリオを段階的に拡大する方針。アプリケーションも車載と産業の両方を対象とする。
最初の製品は、1200Vベースで車載用トラクションインバータ用途向けに設計された同社の「ID-PAK」パッケージ採用品を供給予定だ。Friedrichs氏は「このパッケージとスーパージャンクション技術を組み合わせることで、最大800kWの電力レベルまでスケーラブルに対応可能になる」と説明していた。また、短絡耐性を損なうことなく、メインインバーターの電流能力を最大25%向上させられるという。
ID-PAK 1200Vの初期サンプルは既に特定の自動車ドライブトレインの顧客向けに提供されていて、SiC TSJベースのID-PAK 1200Vパッケージの量産は2027年に開始する予定だ。
NVIDIAとInfineon、AIサーバ向け800V電力供給アーキテクチャを共同開発
Infineon TechnologiesがNVIDIAと協業し、次世代AIデータセンター向けに「業界初」(同社)の800V高電圧直流(HVDC)電力供給アーキテクチャを開発する。Infineonは「将来のAIデータセンターに必要な電力供給アーキテクチャに革命を起こす」などと強調している。
2個の従来デバイスを1個で置き換え、Infineonの650V GaN双方向スイッチ
Infineon Technologiesが双方向の電圧/電流制御が可能な窒化ガリウム(GaN)デバイス「CoolGaN bidirectional switch 650V G5」(以下、CoolGaN BDS 650V G5)を発表した。同製品1個で2個の従来型スイッチを置き換えられ、部品点数、コスト、サイズ、全体的な電力損失を削減できる。
ショットキーダイオード内蔵GaNパワートランジスタ、Infineonが開発
Infineon Technologiesが、「世界初」(同社)となる、ショットキーダイオード内蔵の産業用GaNパワートランジスタ「CoolGaN Transistors G5」ファミリーを開発した。デッドタイム損失を低減することで電力システムの性能を向上し、システム全体の高効率化を進めると同時に、パワーステージ設計簡素化による部品表(BOM)コスト低減も実現するとしている。
AIサーバラックへの電力供給は1台当たり1MW超に 高効率化で備えるInfineon
AIの需要増加で、ネットワーク上のデータ量は急速に増加している。2010年から2025年の15年間で、データ量は145倍になる見込みだ。チップ性能の向上で、計算量も指数関数的に増加していて、シングルプロセッサの電力需要は3〜4カ月ごとに倍増している。これに伴い、AIデータセンターによる送電網への負担、コスト、堅牢性/信頼性が重要な課題となっている。これに対しInfineon Technologiesは、AIデータセンター向けの電力供給システムの開発を進めている。
1チップでセンシング機能とシステム制御を提供 新型「PSOC」
インフィニオン テクノロジーズは、マルチセンス機能などを1チップに集積した32ビットMCU「PSOC 4100T Plus」を発表した。民生用電子機器などの用途に向ける。
「次のトレンドはSDV」 RISC-Vマイコンでトップ維持狙うInfineon
Infineonは、次世代車載マイコンにRISC-Vコアを採用する。ソフトウェア定義型自動車(SDV)への移行を見据え、拡張性や柔軟性の高さに注目していることが理由だ。標準化やソフトウェア開発の支援にも取り組む。
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