リガクは、半導体ウエハーのパッド上にある超格子構造を、非破壊で高精度に解析できるX線回析システム「XTRAIA XD-3300」の商業生産を本格的に始めた。既に新工場棟も完成するなど生産能力を増強しており、2030年度には約100億円の売上高を見込む。
リガクは2025年7月、半導体ウエハーのパッド上にある超格子構造を、非破壊で高精度に解析できるX線回析システム「XTRAIA XD-3300」の商業生産を本格的に始めた。既に新工場棟も完成するなど生産能力を増強しており、2030年度には約100億円の売上高を見込む。
半導体デバイスは、広帯域メモリ(HBM)や3D DRAM、2nm世代以降のロジック半導体など、さらなる高性能化を目指し微細化や三次元化が急速に進む。これらのデバイスでは、シリコン(Si)/シリコンゲルマニウム(SiGe)プロセスを用いたナノスケール積層構造(超格子構造)が採用されている。こうした製品の性能や歩留まりを高めるには、内部構造を適切に制御しなければならない。それには、Si/SiGeの組成や膜厚などを正確に把握できる測定技術が重要になる。
XTRAIA XD-3300は、こうした要求に応えた装置で、X線光学系から検出器、解析ソフトウェアまで自社開発した。40μm角以下という微小なパッド上で、数nm単位の積層構造を直接、非破壊で高精度に解析できるという。
特に、高性能ミラーと湾曲結晶を組み合わせた独自のX線光学系を用いている。これにより、計測時間を従来に比べ最大100分の1に短縮できた。この結果、これまで数時間も要していた解析時間が、数分レベルに大幅短縮することが可能となった。しかも、高度な解析ソフトウェアにより、Si/SiGeなど複雑な多層超格子の周期性や界面品質を正確に数値化できるという。
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