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Sandiskの四半期業績は弱いながらも回復へ福田昭のストレージ通信(286)(2/2 ページ)

» 2025年08月21日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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AIがクラウド、PC、スマートフォンのフラッシュ需要をけん引

 Sandiskは、売り上げを3つの分野に分けて公表した。「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)、である。

「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)の分野別売上高推移 「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)の分野別売上高推移。出所:Sandiskが2025年8月14日に実施した四半期業績説明会のスライドから

 「クラウド」分野の売上高は前期比8%増、前年同期比25%増の2億1300万米ドルである。売り上げ全体に占める割合は11%と前期から1ポイント低下した。

 クラウド分野ではビット換算の出荷量が全体の12%を占めた。AI(人工知能)が需要をけん引しているとする。

 「クライアント」分野の売上高は前期比19%増、前年同期比3%増の11億300万米ドルである。売り上げ全体に占める割合は58%と前期から3ポイント上昇した。

 クライアント分野ではAI機能搭載PCによる需要とスマートフォンの更新需要が強い。PCとスマートフォンともに、フラッシュストレージの平均搭載容量が増加しているとする。

 「コンシューマー」分野の売上高は前期比2%増、前年同期比12%増の5億8500万米ドルである。売り上げ全体に占める割合は31%と前期から3ポイント低下した。

 コンシューマー分野では需要に関する言及はあまりなかった。クリエイターおよびゲーマー向けの次世代ポータブルSSDと高性能USBドライブを発売したほか、任天堂のゲーム機向けmicroSD Expressカード(任天堂とSanDiskの共同ブランド品)とゲーム機のXbox向けストレージ拡張カード「C50」の販売を強化した。

2025会計年度の売上高は前年比10%増の73億5500万米ドル

 Sandiskは2025年8月14日に、2025会計年度(2025年6月期)の通年業績も発表した。同年度の売上高は前年比10%増の73億5500万米ドルである。営業損益はGAAPベースが赤字、Non-GAAPベースが黒字となった。具体的にはGAAPベースの営業損失が13億7700万米ドル、Non-GAAPベースの営業利益が6億8900万米ドルである。

 分野別の売上高は、クラウド分野が前年比196%増の9億6000万米ドル、クライアント分野が同1%増の41億2700万米ドル、コンシューマー分野が横ばいの22億6800万米ドル(前年は22億6900万米ドル)だった。

2025会計年度(2025年6月期)の通年業績まとめ。Sandiskが2025年8月14日に発表したリリースから筆者が抜粋したもの[クリックで拡大] 2025会計年度(2025年6月期)の通年業績まとめ。Sandiskが2025年8月14日に発表したリリースから筆者が抜粋したもの[クリックで拡大]

(次回に続く)

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