SSSによると、米国の2つの自治体が既にこのカメラを活用した交通管理関連のエッジAIセンシングソリューションの実証プロジェクトを実施。いずれも高い評価を得て、本格導入が検討されているという。
1つ目の事例は、シリコンバレーの中心都市である、カリフォルニア州サンノゼ市の交通調査ソリューションだ。
同市交通局は従来、地元の調査会社から交通量調査データを購入して利用していた。だが交通量調査はコストが高く、購入していたのは、限られた地点における1年のうち5日間のデータだったという。だが5日間という短期間では、季節変動の理解は困難だ。また米国では子供を車で学校に送迎することが多いが、休暇/再開などといった要因による交通パターンの変化なども把握が難しい。さらに、次に得られるデータは1年後であり、長期的な傾向分析も不可能だった。
喜多村氏は「こうした課題から、サンノゼ市ではよりコスト効率に優れ、より多くのサンプリングポイントを増やすことができる交通量測定システムを必要としていた」と説明。ここに前述のオールインワンエッジAIカメラシステムを活用したソリューションを提案したという。
具体的には、交差点にエッジAIカメラを設置する、常設型のモニタリングシステムを構築した。同システムでは車両の台数、速度、進行方向に加え、歩行者や自転車の動きに関するデータを継続的かつ高精度に収集。実証実験では、進行方向別の交通量把握において98%以上の精度を実現したという。
また、常時設置のため、連続したデータかつ蓄積データも活用でき、新たな傾向が把握可能だ。リアルタイムでのデータ把握ができるので「例えば事故が発生した際に信号のパターンを変えて交通整理するといった迅速な対応も可能になる」とも説明している。
同市では2025年3〜7月、計3カ所でこの実証実験を実施。今回の結果を高く評価していて、今後大規模導入に向けた予算計画を策定中だという。
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