SSSは、こうしたソリューションの実現に向けてエコシステムパートナーの拡大も進めている。今回の場合、カメラ開発でAglaiaSenseと協力したほか、AIの部分では、スマートシティー分野のエッジAIで知見を有するNota AIおよびIrida Labsとも協力。「さまざまなパートナーと連携していくことで、幅広い用途のAIを提供できる」としている。このほか利用用途に応じたソフトウェア、システムインテグレーションなどでもそれぞれ分野に応じたプレイヤーと連携していくことで、柔軟なソリューション展開を進める。
具体的なビジネスモデルは、SSS自体は、パートナー企業への「IMX500」提供および、エッジAIのアーキテクチャを実現するソフトウェアの年間ライセンスを販売する形で、パートナー企業が最終製品として最終顧客に提供する。最終顧客はハードウェアおよびAIのソフトウェアライセンス、そしてシステム全体を管理するデバイス管理システムを購入することになる。なお、今回のエッジAIカメラの価格は、カメラユニット2台搭載の場合で希望小売価格が1350米ドルで、AIモデルのライセンスはカメラ1台当たり年間数百米ドルだという。
SSSによると、米国では今回の2事例以外にも3都市でスマートシティー分野での実証実験が進んでいるといい、さらなる導入に向けた取り組みを強化している。また、日本でも既に今回のソリューションを応用する形での実証実験が始まっていて、2025年秋以降に日本や欧州でも展開を拡大していく方針だ。
喜多村氏は「われわれのソリューションは、競合他社に比べてシンプルでスケーラブルで差異化がしやすい。また、ソニーはどちらかというと、いかに付加価値の高いものを売るかというビジネスを展開してきたが、今回のソリューションは、コスト面で競合より優れている点も大きく評価され、導入に向けた予算確保などの動きもスムーズに流れている。非常に期待できるビジネスだ」と強調した。
25年2Qの半導体企業ランキング、日本勢トップは13位のソニー
エッジAIデバイス開発を支援、ソニーセミコンが技術情報公開
ソニーセミコン、ビジョンAI用の大規模モデルを提供へ
AIカメラを用いたセンシングシステムの開発を支援、ソニー
ソニーとラズパイが「AIカメラ」を共同開発、両社に狙いを聞いた
ソニーがRaspberry Piに出資、戦略的協業体制を構築Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング