ドイツ・ミュンヘン工科大学がTSMCと連携し、高性能AIチップの研究開発センターを新設する。TSMCの最先端技術を活用し、AIチップ開発における最先端ソリューションの確立を目指す。
ドイツ・ミュンヘン工科大学(以下、TUM)がTSMCと連携し、高性能AIチップの研究開発センターを新設する。TSMCの最先端技術を活用し、AIチップ開発における最先端ソリューションの確立を目指す。
2025年9月1日(ドイツ時間)、バイエルン州政府が発表した。設立するのは「Munich Advanced-Technology Center for High-Tech AI Chips(以下、MACHT-AI)」で、主な焦点は、TSMCの最先端技術に関する専門家の育成および「CRAFT-AI(Customizable, Reliable, Advanced, Flexible, and Trusted AI Chips)」分野における高性能AIチップの共同研究開発だ。TUMの教授Hussam Amrouch氏が指揮を執る。Amrouch教授はTUMのハードウェアの専門家で、最近、独自AIチップを発表している。
TUMの学長、Thomas Hofmann氏は「新センターの目標は、FinFET技術に関する学生や研究者の教育に加え、高効率のAIチップの開発にある。TUMにこの新しいセンターを設立し、TSMCとの今後の協力関係を構築できることをうれしくおもう」とコメントしている。
バイエルン州科学大臣のMarkus Blume氏は「AIチップは『将来の通貨』となる。これは経済界にも、科学者たちにも当てはまることだ。競争力、独立性、自主性を確保するため、われわれは自ら人材を育成し、技術を開発していかなければならない。MACHT-AIとTSMCとのパートナーシップによって、そのための最良の条件が整った」と述べている。
バイエルン州経済大臣のHubert Aiwanger氏は「MACHT-AIは、こうした高度な技術を扱うことができる専門人材が不足している欧州の人材不足の解消に貢献するだろう。これはバイエルン州がAIおよびチップ設計の分野で、最先端の地位にをさらに強化するための重要な要素だ」と述べている。
バイエルン州は同プロジェクトに総額447万5000ユーロ(約7億7400万円)を投じている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.