重要なのは、重要半導体製造技術に関する米国の輸出規制で窮地に立たされているのはSamsungとSK hynixだけではないという点だ。Applied MaterialsやKLA、Lam Researchら米国の半導体製造装置メーカーも中長期的に大幅な収益機会を失う。例えばApplied Materialsは2024年、売上高の約37%を中国に依存していた。
一方で、Micron Technologyは、SamsungやSK hynixら競合の中国での苦境から恩恵を受ける可能性が高い。
また、中国の半導体装置メーカーやCXMT、YMTCといった中国メモリメーカーにも利益をもたらすだろう。政府の支援によってDRAM生産が50%急増したCXMTは、DDR4やLPDDR4といった従来製品から、より先進的なDDR5やLPDDR5チップへ積極的に移行している。
SamsungとSK hynixに話を戻すと、一部の業界観測筋は、この韓国のメモリ二強が、AMDやNVIDIAと同様に米国政府と取引を結び、輸出ライセンスを確保する可能性があると見ている。AMDとNVIDIAは最近、それぞれ「MI308」と「H20」プロセッサの中国向け売り上げの15%を米国政府と共有することで合意した。
あるいは、この問題は、現在進行中の韓国と米国の関税交渉における交渉材料となる可能性もある。
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