今回は、20周年記念寄稿として発光ダイオード(LED)、特に「高輝度青色発光ダイオード」に焦点を当てます。青色LED開発のブレークスルーを紹介します。
EETimes Japan創刊20周年おめでとうございます。寄稿者の一人としてお祝い申し上げます。また20周年を記念した寄稿者の一人に選ばれたことを、光栄に存じます。
前々回は、記念寄稿の第1回として、EETimes Japanの創刊前20年に相当する1985年に戻り、当時の筆者が「実現不可能に近いほど困難な課題」と考えていたテーマをご紹介しました。課題の1つは「超伝導(超電導)」分野、もう1つは「発光ダイオード(LED)」分野です。
そして前回は、超伝導状態を実現する温度(「臨界温度」「転移温度」)のブレークスルー「高温超伝導体の発見」を個人的な体験とともにご紹介しました。
今回は「発光ダイオード(LED)」分野の課題とブレークスルーをご説明します。1985年当時の発光ダイオード(LED)は、発光色で分類すると赤色、赤外色、黄緑色の3種類がありました。その中で赤色LEDと黄緑色LED(緑色LEDを含む)は「可視光LED」とも呼ばれ、目に見える光であることから、表示灯や小型ディスプレイ、デジタルメーターなどに既に使われていました。
ちなみに可視光とは、目に見える光(色がある光)を指します。波長がおよそ400nm〜700nmの光であり、紫色(400nm〜450nm付近)、青色(450nm〜500nm付近)、緑色(500nm〜550nm付近)、黄色(550nm〜570nm付近)、橙色(570nm〜600nm付近)、赤色(600nm〜700nm付近)におおむね分類されます。
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