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多機能AFEが分析現場をスリム化、ADIが「JASIS」に出展「MAX40109」「AD4858」国内初展示

アナログ・デバイセズ(ADI)は分析機器・科学機器総合展「JASIS 2025」に出展し、新製品の圧力センサー向けアナログフロントエンド(AFE)「MAX40109」や、ADC「AD4858」などを紹介した。

» 2025年09月29日 13時30分 公開
[杉山康介EE Times Japan]

 アナログ・デバイセズ(ADI)は分析機器・科学機器総合展「JASIS 2025」(2025年9月3〜5日、幕張メッセ)に出展し、新製品の圧力センサー向けアナログフロントエンド(AFE)「MAX40109」や、A-Dコンバーター(ADC)「AD4858」などを紹介した。

多機能デバイスで計測システムの小型化に貢献

 MAX40109は、抵抗ブリッジベースの圧力センサー向けアナログフロントエンドやA-Dコンバーター、キャリブレーションメモリ、デジタル信号処理機能などを搭載したインタフェースSoC(System on Chip)だ。日本国内のイベントでの展示やデモンストレーションは今回が初めてになる。

MAX40109 MAX40109[クリックで拡大]

 約0.05bar以内と「校正した圧力センサーと比較して遜色ない圧力測定精度」(ブース担当者)を有し、各種調整や設定がPC上で行えることから「さまざまな現場において、圧力センサーの小型化と調整の簡素化に貢献できる」(同)という。

外付けの圧力センサー(左下)と比べて小型化ができる 外付けの圧力センサー(左下)と比べて小型化ができる[クリックで拡大]

 AD4858は8チャンネル同時サンプリング対応の20ビット、1Msps(メガサンプル/秒)データアクイジションシステム(DAS)搭載A-Dコンバーター。こちらも国内イベントでの展示、デモンストレーションは初めてになる。

AD4858(写真中央) AD4858(写真中央)[クリックで拡大]

 最大の特長が、サンプル、チャンネルごとにゲインの範囲を自動調整する「SHDR(Seamless high Dynamic Range)」機能を搭載することだ。従来品の場合、入力信号が小さくなるとノイズに埋もれて検出できなくなるため、外付けのオートゲインコントロール回路を用意する必要があった。

 AD4858ならびに「AD485xシリーズ」の製品はSHDR機能を内蔵し、信号の強弱に応じて自動でゲインを調整する。そのため「外付け回路が必要なく、システムの小型化に貢献する」(ブース担当者)としている。

 最新製品ではないが、ブースで注目を集めていたのがテスト機器向けのデータ測定用アナログフロンドエンド「CN0584」だ。250ナノ秒の低遅延で測定から信号出力まで行える即応性から、主に自動運転などの分野で採用されているが、シビアな管理が求められる化学分析の分野でも活用できると考えて出展。「今回の展示品の中でも、来場者のブース滞在時間が最も長い」(ブース担当者)と語っていた。

CN0584 CN0584[クリックで拡大]

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