太陽ホールディングス(太陽HD)は、imecとの共同研究で、次世代半導体パッケージング用材料「FPIMシリーズ」を用い、直径12インチ(300mm)のウエハー上でCD(クリティカルディメンション)1.6μmの3層RDL(再配線層)を形成することに成功した。この成果を「14th IEEE CPMT Symposium Japan(ICSJ2025)」で発表した。
太陽ホールディングス(太陽HD)は2025年11月、imecとの共同研究で、次世代半導体パッケージング用材料「FPIMシリーズ」を用い、直径12インチ(300mm)のウエハー上でCD(クリティカルディメンション)1.6μmの3層RDL(再配線層)を形成することに成功し、この成果を「14th IEEE CPMT Symposium Japan(ICSJ2025)」で発表した。
最先端の半導体パッケージングにおいて、効率よく電気接続を行うため、RDLは重要な技術の1つとなっている。こうした中でimecは、配線間隔が1.6μm以下となる場合には、これまでの「セミアディティブプロセス(SAP)」ではなく、「ダマシンプロセス」が必須になるとみている。
そこで太陽HDは、ダマシンプロセス向け微細ピッチRDLネガ型感光性絶縁材料「FPIMシリーズ」を開発。実用化に向けて2022年から、imecと共同研究を行ってきた。そして今回、FPIMシリーズを用いて300mmウエハー上にRDL3層構造を形成し、その評価を行った。
各配線間隔はウエハー上のRDL1層でCD1.6μm、ビア層CD2.0μm(ビア中心間ピッチCD4.0μm)、RDL2層でCD1.6μmとなり、目標の寸法を達成した。これらの値は、今回用いたLow NAステッパーにおける解像限界に極めて近いという。CD1.6μmのRDL1層におけるリーク電流や抵抗の電気特性も良好な値だった。
開発したFPIMシリーズは、2025年からR&D用途として少量のサンプル出荷を始めている。今後は、ウエハー上の配線間隔としてCD500nm以下のRDL形成を目指すとともに、AI半導体のさらなる高性能化を実現するための材料開発を続けていく。
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