OKIサーキットテクノロジー(OTC)は、AIデータセンター向け装置などに用いられる多層プリント基板の開発期間を短縮できる「高周波ビア高精度シミュレーション技術」を開発した。伝送速度が1.6Tビット/秒クラスの多層プリント基板におけるビア特性を最適化でき、適切な信号特性を実現できる。
OKIサーキットテクノロジー(OTC)は2025年11月、AIデータセンター向け装置などに用いられる多層プリント基板の開発期間を短縮できる「高周波ビア高精度シミュレーション技術」を開発したと発表した。伝送速度が1.6Tビット/秒クラスの多層プリント基板におけるビア特性を最適化でき、適切な信号特性を実現できる。
生成AIシステムの普及や進化に伴い、関連装置に搭載されるプリント基板も多層化や構造の複雑化が進んでいる。このため、高速伝送が求められる用途では、伝送損失や信号の反射を抑えることが重要となってきた。中でも、多層プリント基板では、層間を電気的に接続するビアの特性インピーダンスを制御する技術が重要だという。
このため、高周波対応のプリント基板設計では、高精度のビアモデルを用いたSIシミュレーションが不可欠となっている。ところが、基本周波数が50GHzを超える帯域だと、従来のモデリング手法では実測値との相関が取れず課題となっていた。
OTCは今回、プリント基板製造の前段階で、新たに開発したシミュレーション技術の結果に基づき、ビアの構造や寸法、製造マージンを自社の製造ラインに合わせて検証/最適化し、要求される信号品質が得られる最適条件を抽出した。
これまで蓄積してきた評価データを基に、仕上がり寸法や製造ばらつき、材料物性値などのパラメーターについてデータベースを構築。これにより、3次元電磁界解析ツールを活用して高精度のビアモデリングが可能となり、実測値と相関の取れたシミュレーションを実現した。
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