OKIサーキットテクノロジーで、上越事業所(新潟県上越市)に新設した超高多層PCB(プリント配線板)の回路形成ラインが完成し、本格稼働に入った。新ラインはビアピッチ0.23mmに対応できる。生産能力は従来に比べ1.4倍となった。
OKIサーキットテクノロジーは2024年7月、上越事業所(新潟県上越市)に新設した超高多層PCB(プリント配線板)の回路形成ラインが完成し、本格稼働に入ったと発表した。新ラインはビアピッチ0.23mmに対応可能である。生産能力は従来に比べ1.4倍となった。
先端半導体は、微細加工技術や積層技術により、高機能化や小型化、低消費電力化が加速する。また、端子数の増加や狭ピッチ化も進んでいる。こうしたことから、次世代半導体の製造や機能試験に向けたPCBでは、狭ピッチ化や100層を超える超高多層化に対応していく必要性が出てきた。
このためOKIサーキットテクノロジーは、上越事業所内の製造エリアを3300m2増床した。従来スペースに比べ約1.2倍の拡張となる。新設した極薄材料対応表面処理ラインには、ダイレクトイメージ装置を増設した。同時に、AOI(Automated Optical Inspection)自動検査装置を移設し回路形成プロセスの動線を最適化。生産品質を向上させるとともに、生産能力がこれまでより約1.4倍も高まった。
さらに、厚みが0.03mmから8mmまでの材料に対応できる自動搬送および、ダイレクトイメージ装置を増強した。これにより、高精度回路形成と高精細エッチングラインによる線幅精度向上(伝送特性安定化)を実現した。また、高精度穴明け装置も増設したため、110層を超える超高多層の高精細基板にも対応できるという。
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