同社は、2026年3月3日付および4月1日付で執行体制の変更も発表。岸田氏は「第三者委員会の調査報告および役員辞任を真摯に受け止め、国内外を問わず広く若手の登用など、透明性の高い経営基盤の再構築に取り組んでいく」と説明。さらにガバナンス体制の抜本的見直しや、第三者委員会の報告書で明らかになった事実関係を踏まえ、「責任調査委員会」を速やかに設置し、現/旧取締役および執行役員等について、職務執行に関する法的責任の有無を調査/検討していくとした。これは刑事責任を含めたあらゆる可能性が検討対象だという。責任調査委員会の設置時期および概要は決定次第、公表する予定だ。
なお同社の事業の状況に関しては、受注は堅調に推移していて「生産計画への大きな変更はない」と説明。生産拠点も正常に稼働していて供給能力を維持。2025年度第3四半期売上高は6777億円規模で第1四半期から第3四半期累計では前年同期比1.7%増の1兆9800億円規模だとしている。
報告書では、ニデックでは業績目標達成のため資産の減損回避などが行われ、それが滞留することによって生じた「資産性に疑義のある資産」が積みあがっていたことも指摘している。同社ではこれを「負の遺産」と呼んでいた。
負の遺産の処理に際しては、発生する損失を収益でカバーし、あくまで業績目標を達成すること(同社では「セルフファンディング」と呼称)などが求められていて、適切な時期に処理がなされない結果になったものが存在したという。
こうした負の遺産について岸田氏は「第三者委員会の報告でもあったように、『負の遺産』=直ちに不正という意味ではないと理解していて、リスクを抱えた資産のリストのような位置付けのものだ。私自身が担当していた車載事業でも、どう認識し対応すべきかといった会話はあった」と言及。
そのうえで、「今回の調査でここまで全社的に幅広く議論されていたことは私にとって新たな発見でもあるが、正しいプロセス/仕組みに置き換えて再発させないことが重要だと認識している。現状どの程度残っているかを正確に把握はしていないが、適切な時期に適切な会計処理を徹底する。セルフファンディングや、時期をずらし計画的に減損するようなことにならないよう、全世界の事業チームと連携してプロセスを作り運用する」などとと述べた。
また、報告書では、再発防止に向けた提言として「『永守氏の会社』からの脱皮」などが挙げられている。この点について岸田氏は「当社が大切にしてきた企業風土や考え方には、今後も引き継ぐべきものがある。一方で『必ず正しくやる』という考え方を、企業風土の中心に据えたい。過去のやり方やプロセスのうち、『正しくやる』ことで失われるものがあるなら、勇気を持ってやめる覚悟だ」とした。
ただ、永守氏は2026年2月26日に名誉会長も辞任してニデック経営から完全にしりぞいたものの、なおも個人およびその資産管理会社を通じて約12%の株式を保有する大株主だ。これについて岸田氏は「特定のステークホルダーによって運営やオペレーションがゆがめられる、あるいは業務執行が妨げられることがないよう、仕組み/プロセスを作ることが使命だと考えている」と述べた。
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