本協創協定では「エネルギー循環とデータ連携による社会価値の創出」「社会インフラと協調したモビリティの進化」「持続的な価値創造を支える技術基盤の強化と深化」「未来社会を構想・実装する高度人材の育成」の4つを重点テーマとする。中核になるのが、デンソーの走行中無線給電システム(DWPT:Dynamic Wireless Power Transfer)だ。
DWPTは、道路に無線給電設備を埋め込むことで、電気自動車(EV)などのモビリティが走行しながら給電できるシステムだ。デンソーはDWPTによる500kmの連続走行に成功している。東京大学生産技術研究所の准教授で、デンソー東大ラボの東京大学側ラボ長を務める本間裕大氏は「DWPTが社会実装されれば、モビリティは走る蓄電池になり、エネルギー循環を支える存在になる」とする。
「DWPTで電力網への過度な負荷を抑えた社会基盤の構築に取り組むとともに、インフラ敷設の最適化を通じて経済成立性を高める。また交通事故や渋滞を減らすための社会インフラとの協調、安全保証やセキュリティ技術などとの連携による、安全かつ連続して状況判断できるモビリティの実現を目指す。情報の信頼度設計やエネルギーを意識したルート最適化などにも取り組む」(本間氏)
インフラ構築に加え、技術基盤の強化や人材育成にも注力する。具体的には、車載SoC(System on Chip)設計やソフトウェア、AI、半導体など基盤技術を高度化しつつ、製造保守を含む運用基盤まで視野に入れた仕組みを構築し、持続的に価値を生み出す技術基盤の確立を目指す。人材面では本研究を教育の場として学生から社会人までを対象にした人材育成に活用し、取り組みが持続する仕組みを構築するという。
10年の期間のなかで、基盤整備と研究・実証から社会実装モデルの具体化、持続的な社会システムへの展開を目指す。本間氏は「インフラや制度設計、社会実装、人材育成まで包括的に取り組むには、一定の時間軸が必要だ。大事なのは個別の成果を確実に出しつつ、中長期で社会システムをデザインし、変化につなげていくこと。東京大学とデンソーは、これからの10年で『走るほど、満ちる社会』の実現を目指す」と述べた。
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