東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、300℃までの温度範囲でも安定した誘電率を示す「ガラス複合型誘電材料」を開発した。自動車のエンジンルームなど高温環境においても、安定した動作が求められるコンデンサーの用途に向ける。
東京都立産業技術研究センター(都産技研)は2026年6月、300℃までの温度範囲でも安定した誘電率を示す「ガラス複合型誘電材料」を開発したと発表した。自動車のエンジンルームなど高温環境においても、安定した動作が求められるコンデンサーの用途に向ける。
コンデンサーでは誘電特性に優れた材料として、「BaTiO3」系が幅広く用いられている。ところが120℃以上の温度域では誘電率が低下していた。高温環境に対応するための材料として、「PNb9O25」などが報告されているが、従来の一般的な合成方法を用いると、誘電率の安定性が悪化するなどの課題があった。
そこで今回は、ガラスと酸化物を用いる独自の材料合成法を採用し、PNb9O25の粒界をガラスで接合した。この方法を用いると、「原料混合」「成形」「焼結」という簡便なプロセスで、結晶合成とガラスの複合化が可能となる。しかも、従来手法に比べ、酸素欠損の生成を抑制でき、高温域でも誘電率の安定性を向上できた。
実験では、ガラス複合型誘電材料とBaTiO3の高温誘電特性を測定し比較した。この結果、BaTiO3の誘電率は120℃付近で急激に変化しこれ以上の温度では誘電率が大きく低下した。これに対しガラス複合型誘電材料は、300℃まで誘電率は安定し、その変化率は±15%以内であった。ガラス−結晶の微細構造が粒界抵抗の向上をもたらし、高温環境下でも高い絶縁性を示すことが分かった。
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