2015年前半に経営統合することで合意しているCypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)とSpansion(スパンション)の両社が2014年12月12日、日本のメディア向け会見を開いた。
米国時間2014年12月1日に合併を発表したCypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)とSpansion(スパンション)の両社は2014年12月12日、日本のメディア向け会見を開き、合併後の社名は「Cypress Semiconductor」になる中で、車載向け製品分野などでは「Spansion」ブランドを残すと明らかにした。
会見は、CypressのT. J. Rodgers氏とSpansionのJohn Kispert氏の両社CEO(最高経営責任者)が参加した。なお、両社の合併は2015年前半中に実施され、Rodgers氏が新会社CEO、Kispert氏は新会社取締役に就任する。
Kispert氏は、合併の狙いとして「組み込みシステム分野でリーディング半導体メーカーを作ること」とし、「高性能マイコン、特殊メモリ、アナログの製品分野で多くのイノベーションを起こしていく」と述べた。
両社ともに、メモリとマイコンを主力とする。メモリでは、CypressがSRAM、FRAMを扱う一方、SpansionはNOR/NAND型フラッシュメモリを展開。マイコンでは、両社ともに同じARMコアベースのマイコンを展開するものの、Cypressはプログラマブルなアナログペリフェラルを特長とした独自性の強いマイコン「PSoC」を展開し、「マイコンを含め、両社は補完的で重複が一切ない」(Kispert氏)と言い切った。
得意とする用途市場も、「Cypressは民生機器/通信機器向け、Spansionは自動車/産業機器向けと異なっている」(Rodgers氏)として、補完関係にあることを強調。その上で、Rodgers氏は「Spansionの自動車向けで実績ある品質、信頼性技術を生かして、タッチコントロール製品などCypressがこれまで民生機器/通信機器向けだった製品を自動車向けにも展開していく。特に日本のラボを利用して最高品質のものを提供する」とし、両社の強みを互いに生かす形での相乗効果を見込む。
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