AIデータセンター向けでは、電気二重層キャパシター(Electric Double Layer Capacitor:EDLC)用の活性炭「〈クラレコール〉YPグレード」を提供している。
生成AIの急速な普及により、AIデータセンターでは消費電力の問題が深刻化している。AIの処理では、GPUの演算負荷が短時間に大きく変化する。これに伴い、AIサーバに必要な電力も急激に変動する。これは、AIサーバだけでなく、電源設備にも大きな負荷を与えることになる。この電力変動を緩和する蓄電デバイスに使われているのがEDLCだ。サーバ近傍に実装することで急な電力変動を緩和し、電源設備への負荷を減らせる。
EDLCの電極材料には活性炭が使われる。活性炭の細孔表面に電荷を蓄えることで、素早い充放電と、長寿命(膨大な量の充放電サイクル)が可能になっている。〈クラレコール〉YPグレードは、EDLCに求められる充放電性能と耐久性を想定して設計された材料だ。クラレ 環境ソリューション事業部長補佐 林田良平氏は「現在のEDLC用活性炭では、デファクトスタンダードになっている」と述べる。
〈クラレコール〉YPグレードの大きな特徴が、活性炭1g当たりの比表面積が大きいことだ。比表面積が大きいほど細孔表面に電荷を蓄えられるので、大電流の充放電が可能になる。さらに、細孔構造の設計を最適化し、電荷を効率よく蓄え、素早い充放電をできるようにした。「デバイス(EDLC)の性能に合わせて、細孔構造を設計していくことが重要になる」と林田氏は述べる。
〈クラレコール〉YPグレードは現在、クラレの鶴海事業所(岡山県備前市)で製造している。林田氏は今後、〈クラレコール〉YPグレードの需要増に対応すべく、新たな設備投資を検討する可能性もあると語った。「昨年(2025年)から、EDLCの用途が立ち上がってきた。有望な本用途については、優先して生産能力を拡大していく方針だ。市場成長を考慮しながら、投資規模と時期を検討している」(同氏)。〈クラレコール〉YPグレードの売上高については、2031年までに現在の3倍を目指す。
クラレコール〉YPグレードの高性能化については、高電圧への対応が鍵になると述べた。
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