メディア

台湾ITRI、PRAMを見限りReRAMを不揮発メモリーの主力にメモリ/ストレージ技術 ReRAM

» 2009年06月30日 18時15分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 「Macworld」誌に掲載された報告によると、台湾の政府系研究機関であるITRI(工業技術研究院:Industrial Technology Research Institute)は、汎用の不揮発性メモリーとしてReRAM(Resistive RAM:抵抗変化メモリー)の研究を開始しており、PRAM(相変化メモリー:Phase change RAM)への取り組みを終了する計画だという。

 台湾政府が出資するITRIは、しばらくの間、PRAMに取り組んできたが、この技術をベースとするチップの製造は困難であることが判明した、と報告にはある。同研究院は報告の中で、この先2008年中にPRAMに関する研究プロジェクトの一部を終わらせ、その後は段階的にこのテーマを終了させると記述されている。

 ITRIはReRAMを、化合物内部の化学量論的な変化によって生じる抵抗スイッチングに基づいた不揮発性メモリーと定義している。同研究院の研究者は、遷移金属酸化物と同酸化物に適合する電極金属からなるReRAMを、3V以下という低電圧で動作させることに成功したと主張している。ITRIはこのReRAMについて、85℃で10年間、100万サイクル以上利用できる耐久性があると述べている。また同研究院は、1セルにつき2ビットを記録する方法で4つの異なる状態を保持するMLC(Multi Level Cell)方式の素子が動作したと主張している。

 なお、ITRIは、2009年6月16〜18日に開催された「2009 Symposium on VLSI Circuits」(VLSI 2009)において、「A 5ns Fast Write Multi-Level Non-Volatile 1 K Bits RRAM Memory with Advance Write Scheme」と題した論文を発表している。メモリー・セルの構造は1T1R(1トランジスタ1抵抗)であり、金属酸化物としてHfO2(二酸化ハフニウム)を用いた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.