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TSMCは2nmで主導権維持、SamsungとIntelに勝機はあるかRapidusは『ワイルドカード』?(1/3 ページ)

米国EE Timesが調査した複数のアナリストによると、TSMCは、最近生産開始を発表した2nmプロセスによって、今後数年にわたって高度な半導体ノードでライバルのSamsungとIntelを凌ぐ見込みだという。

» 2026年01月27日 11時00分 公開
[Alan PattersonEE Times]

GAA初導入の2nmプロセス、主要顧客が続々採用へ

 米国EE Timesが調査した複数のアナリストによると、TSMCは、最近生産開始を発表した2nmプロセス(同社内での呼称は「N2」)によって、今後数年にわたって先端半導体ノードでライバルのSamsung Electronics(以下、Samsung)とIntelを凌ぐ見込みだという。

 アナリストらによれば、同プロセスの初期の顧客には、NVIDIA、Apple、AMD、Qualcommといった主要な半導体設計企業や、Microsoft、Amazon、Googleなどのハイパースケーラーが含まれるようだ。

 2025年12月末、TSMCはN2を用いた生産の開始を発表した。同社にとってナノシートGAA(Gate All Around)トランジスタ技術を導入したのはN2が初めてとなるが、競合Samsungと比べると数年遅れの導入となった。同社は2nmノードの性能を高めるため、低抵抗再配線層(RDL)と超高性能の金属-絶縁体-金属(MiM)コンデンサーを開発した。そのため、N2では性能ならびに電力消費の面でフルノードの進化を遂げたと主張している。

 TSMCは、自社の2nm技術が密度とエネルギー効率の面で半導体業界をリードすると述べている。また、同社は事前に準備された声明の中で「継続的な強化に向けた当社の戦略と、N2ならびにその派生技術によって、TSMCの技術リーダーシップはこの先もさらに、そして順調に拡大していくだろう」とも述べている。

N2の量産拠点であるFab 20およびFab 22 N2の量産拠点であるFab 20およびFab 22[クリックで拡大] 出所:TSMC

 アナリストらは、TSMCが今後も先端ノードにおける『チャンピオン』というタイトルを維持し続けるという見方に同意している。同社は、最先端技術を台湾内で維持していくだろうが、それが一部にとっては懸念材料にもなっている。例えば、米国政府はTSMCの先端技術におけるリーダーシップを「国家安全保障上のリスク」と称してきた。

 International Business StrategiesでCEOを務めるHandel Jones氏がEE Timesに語ったところによると、TSMCは2028年までに米国内に何らかの2nm製造能力を持つようになる見込みだが、リーダーシップ能力と最も高度な技術ノードは台湾に置き続ける計画だという。

 TechInsightsのバイスチェアマンであるDan Hutcheson氏はEE Timesに、「TSMCのN2は既に15社以上の顧客に取り入れられていて、同社で最も成功した技術の1つになる可能性がある。同技術に関心があることが公になっている顧客としては、Apple、NVIDIA、Google、Broadcom、Marvell、AMD、Intel、MediaTekが挙げられる」と語った。

 アナリストらは、新しいチップの設計コストが最大で8億米ドルに達するとしても、TSMCの顧客の中にはウエハー生産に年間200億〜300億米ドルを費やしている企業もあり、設計コストはそのごく一部にすぎないと指摘している。先端ノードでチップを設計する企業は、歩留まりが高く、納期通りに供給されるウエハーを提供できるファウンドリーに対して、大きな賭けを強いられている。

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