東芝ライテックは2009年9月30日、効率が93lm/Wと高いLED電球を開発したと発表した。業界最高効率だと主張する。これまでは、パナソニックが85lm/Wで最も高いと主張していた。
一般にLEDは、高出力にするほど効率は落ちる。そこで東芝ライテックは、126個(9列×14行)の低出力タイプ青色LEDチップを高密度実装した専用モジュールを開発した(LEDチップ1個当たりの投入電流は明らかにしていない)。さらに、内蔵するLED駆動回路を小型化し、ソケット付近の外形形状を白熱電球とほぼ同じにした。照明器具の適合率が向上する。つまり、従来のLED電球では取り付けられなかったようなソケット周辺が狭い既存の照明器具にも、取り付けられる。LED電球の外形寸法は、全長119mm、外径60mmで、E26口金に対応する。
電球色と昼白色の、光色が異なる2品種を用意した。どちらも消費電力は8.7Wで、全光束はそれぞれ600lmと810lmである。電球色タイプは40W形白熱電球の約1.2倍、昼白色タイプは60W形白熱電球相当である。配光が白熱電球と異なるため、ダウンライトに装着した場合の直下の照度は、昼白色タイプが150W形白熱電球程度、電球色タイプでも100W形以上の明るさが得られるという。どちらも価格は9135円(税込み)で、2009年10月16日に発売する。寿命は4万時間である。
演色性については、白熱電球や3波長型蛍光灯に及ばない。平均演色評価数(Ra)は、電球色タイプが80、昼白色タイプが70で、他社製のLED電球と同等である。これは、青色LEDチップと黄色蛍光体を組み合わせた、一般的な白色LEDを用いているためで、現在はこのタイプが最も効率が高い。
演色性について同社は、「高演色タイプも現在開発中である。特に欧州では高い演色性に対する要求が強い。すでにスタジオ照明用のLEDスポットライトには、黄色に加えて赤色を混ぜた蛍光体を使った白色LEDを採用している」とした。さらに高演色タイプの方式については、「3波長タイプなども含めて、さまざまな方式を検討している」とし、青色以外のLEDを採用する可能性もにおわせた。
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