Foley氏は、「WirelessHD Consortiumは今のところうまくやっているようだ」と述べている。「技術仕様に設計上の制限を掛けなければ、最初は用途を1つに絞って、それを徐々に拡大することで、順調に発展していくだろう」(同氏)。
同氏は、WiGig Allianceに対しては、悲観的だ。WiGig Allianceには、Wi-Fi Allianceのメンバーが多く参加している。Wi-Fi Allianceでは、無線LAN規格の最新版「IEEE 802.11n」の次世代規格を策定中で、候補の1つに60GHz帯を使う「IEEE 802.11ad」が挙がっている。
「WiGig Allianceのメンバーは、真の市場が何なのかを見失ったまま、さまざまな用途を模索しているように見える。彼らの戦略が、同Allianceにどのくらいメリットをもたらすか、わたしには分からない」(同氏)。
Bluetooth SIGは、60GHz帯を使うにあたって、さまざまな側面から検討を始めたばかりだ。Foley氏は「60GHzを使った無線通信技術が、UWB技術と同じ方向に進んでいるように思われているかもしれないが、60GHz帯について非難するのは少し時期尚早だ」と説明した。
WirelessHD ConsortiumのチェアマンであるJohn Marshall氏は、「WiGig Allianceの取り組みはパソコンや携帯型電子機器間でのデータのやりとりを想定しており、WirelessHD Consortiumとは補完的であると位置付けている。WirelessHD Consortiumは、WiGig Allianceのメンバーに説明した通り、彼らとは干渉しない団体だ」と説明した。
WiGig Allianceでは、独自の技術仕様を2009年中に策定する予定である。2010年初めには、ロイヤルティ・フリーで提供する見通しだ。WiGig AllianceのチェアマンであるAli Aadri氏は、「60GHz帯を使った複数の候補を検討したものの、われわれが抱えている問題を解決する包括的な技術仕様を提供している団体は見当たらなかった」と述べた。
ある大手システム会社の技術マネジャーは最近、WirelessHD ConsortiumとWiGig Allianceの統合を呼びかけたという。
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